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石井光太 ×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

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後藤「僕は、最近アジアが気になっていて、光太さんはアジアの国々に何回も行かれていて、そこから見える日本とか、今の社会のありようとか。僕らは、ロストジェネレーションと呼ばれる世代で、本当に社会に出るときも仕事もなかったし、そして30代になって働き盛りと言われる今、社会がひっくり返るような地震が起きて。その間、経済成長があったからかもしれないですけど、誰もタッチしないできたから社会はどんどん歪んできて。そろそろ誰かがやってくれるんじゃないかと思っていたら、いつのまにか自分も30代を越えて。僕はミュージシャンですけど、ミュージシャンはミュージシャンなりに、何か社会的な視点を持って活動をしていかなくてはいけないと思うし。それは、ミュージシャンではなくても、ひとりの国民として。けど、周りを見渡したらそういう意識が高いかって言ったらそうでもなくて。欧米だったら、僕らみたいなロック・ミュージシャンって、とことん社会にコミットしているけど、日本人はそういうことがあまり良しとされていないところもあると思うし。そういう社会で、光太さんはどんなことを考えていらっしゃるのか? 日本とは全く違う、まったく想像もつかない世界のさまざまな場所、僕も本でしか知らない世界の状況を光太さんの口から聞けたらなと思いました」

石井「今、後藤さんがおっしゃったこともそうですし、僕がとても不思議に感じているのは、まともなことをまともに言えない社会が存在していることです。人間って両面性を持っているのが当たり前です。例えば、美味いものを食いたいっていう気持ちと募金をしたいっていう気持ちを両方持っているのは当然です。だけど、世の中の風潮はそうではない。どっちかひとつしか持ってはいけない、両面性があってはいけないというのが前提になっているじゃないですか。でも、人間は常に変わる生き物です。現時点での考え方と、1時間後、翌日、翌々日の考え方は全く違ってくる。それなのに、人間は基本的に変わらないという妙な神話が流れている。後藤さんが10年前に仲良かった人と今会ったとして、『いやぁ、後藤、変わったねー』って言われたら、嫌な気分になりません?」

後藤「確かにそうですね」

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