RA RA RIOT インタビュー
──確かに、本作は前作以上にバンド・アンサンブルの完成度が高くなっていると同時に、メンバー全員が自由に音楽と向き合っているような姿勢を感じました。結果、5人それぞれのキャラクターがより強く迫ってくるような音になっていると思ったけど、各パートで演奏するにあたり、こだわったことは?
レベッカ「私はバンドに加入するまでは、クラシックを勉強していたの。だから、決められた譜面をもとに、どうやって自分らしさを伝えてくのかだけに集中すればよかった。でもバンドに加入してからは、自分でゼロの段階から曲を構成させていかなくてはいけないでしょ? 前作で初めてそういった曲作りの経験をし、ライブ活動をおこなったことによって、バンドでパフォーマンスする・音楽を作ることへの戸惑いは、すっかり無くなったの。おかげで、今回は自分のキャラクターがより明確に出たサウンドになったのかもしれない。かと言って、他のメンバーの存在を邪魔していないと思うの。他のメンバーのパートに関しても、同じことが言えるわ。お互いがお互いを尊重しあいながらも、自分らしさを出す方法をこのアルバムを通じて手に入れられたのかもしれないわね」
──本作を作るにあたり、何かバンド内でテーマ、青写真みたいなものを掲げて制作したのでしょうか?
ウェスリー「いや、テーマみたいなものを最初から掲げて作った訳じゃないんだ。でも、全体を通して聴くと、不思議な統一感があるというか。どの曲にも繋がりがある構成になっている気がしたよね」
──なぜタイトルを『ジ・オーチャード』に?
ウェスリー「今回の楽曲は、すべてニューヨーク北部にあるペン・ヤンという町のモモの果樹園にて制作されたものだからというのもあるんだけど、他にもこのタイトル・トラックを筆頭にどの収録曲も、ある特定の場所から、ある風景を思い出すみたいなものが多いんだよね」
──昨今のNY出身のバンドというと、ヴァンパイア・ウィークエンドやMGMTに代表されるような独特の陶酔感や狂騒感があるポップなサウンドというイメージが強いけど、今回のアルバムはそういったサウンドとは一線を画したオーガニックで優美な内容に仕上がっているよね。
ウェスリー「ボクらは確かにNY出身バンドであることは確かなんだけど、どちらかと言うとニュージャージーにいることが多いから、彼らとはちょっとタイプが違うんだよ(笑)」
レベッカ「私達は都会の喧噪からより、自然の鼓動のなかからインスピレーションを受けることがほとんどなの。また、NYのスタジオって狭いし、そのわりにお金がかかる(笑)。外に出ても、プラスティックな風景がたた並んでいるだけ。そんな窮屈な環境で音楽を作るよりも、自然の開放感を思う存分堪能できる場所でレコーディングしたほうが、私達の性に合うのね」
──では歌詞に関しても、そういう自然からインスピレーションを受けたものが多い?
ウェスリー「うん、そうだね。例えば3曲目の『トゥ・ドラマティック』は、都会のノイズにうんざりして、田舎にエスケイプする曲だし。また6曲目のチェロのアレクサンドラ・ローンとデュエットした『ユー・アンド・アイ・ノウ』では、駅のホームの喧噪をサンプリングして、都会からの逃避みたいなムードを表現したつもりだし。と言って、これらはすべてのしがらみを捨てて現実逃避するのではなく、ただ静かな場所に行って心を落ち着かせたいという気持ちがこもったものだよ。でもアルバムの最後では、自分が果実園にいるのか?また現実にいるのか?訳がわからなくなる錯乱状態になってしまうんだけどね!(笑)」
NEXT /
BACK
←
INTERVIEW TOP
←
MAGAZINE TOP
[MENU]
┣
NEWS
┣
DISC
┣
ARTIST
┣
MAGAZINE
┣
MAILING LIST
┣
CONTACT
┗
HOME
Copyright(C) Spectrum Management Co.,Ltd. All rights reserved.