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環ROY × 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)ー対談-
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──環さんは、以前インタビューで「作詞家として、高度になっていなかくてはいけない」とおっしゃっていましたけど、後藤さんも、近年は詞への向かい方が以前と変わってきているとおっしゃっていましたよね?

「アルバム『マジックディスク』も変わってきてるんですか? 聴かせてもらって、すごくそう思ったんですけど」

後藤 「詞はね、徹底的にやろうと思って。今回はいっぱい書いた、歌にしてないものも含めて。どういうのがいいのかなって、いろいろ考えたね」

「すごい、時間を意識した詞でしたね。すごかったです。ここに来る前に、ずっと聴いてて、それでここに来るの緊張したんですけど。スケールでけぇなと思って」

後藤 「ありがとうございます(照笑)。歌詞は大事だと思って。まだ、言葉ってやりようがあるような気がして」

「ヒップホップは、これからもっと歌詞に踏み込んでいくっぽいんですよね。2010年以降から」

──今まではそうではなかったですか?

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「今までで、韻を踏んで鳴っている音をよりヒップホップらしく近づけていくっていう行為はやりつくされてて。みんな、それはできるようになったから。10代の子とかもみんなラップが上手いんですよ。だから00年代後半からは、詞をよくしていこうってところに向かっていっていると思うんですよね。10年代以降はもっと加速すると思います」

後藤 「何を書くかってことかな」

「そうですね。何を書くかってことだったり、違和感のない文法で。海外のラップって、しゃべってるような語りかけるような感じで作られてるんですよね。熟語で終わっていくっていうよりは、よりしゃべり言葉で文法も整理されていて自然な表現で。かつ韻的なブラックミュージック特有なグルーヴを作っていくっていうスタイルになっていくと思うんです」

後藤 「さっき言ってたように、一文字でも韻が踏めるんだよね。母音だけでも、全部“うで揃えれば綺麗になるから。あとは、わかりやすさっていうのは大事だよね。中学生でもわかる言葉で核心を書けたらかっこいいよね。でも、ヒップホップがその韻を踏まない方向へ向かっていくっていう話は、面白い話だね」

「韻を踏まなくてもグルーヴを成立させるっていうスキルを研究してるんです。でもそれができたら、また韻を踏むんですよ、きっと。ヒップホップって“俺が新しい!競争みたいなもんなんで。だから、どんどん淘汰されていくんですよね。だから、ずっと新しいことを更新し続けていかなきゃならないんで、体力がいるんですよ」

後藤 「そっかそっか、なるほどね」

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