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環ROY × 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)ー対談-
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──後藤さんは、2007年以降くらいからヒッポホップをかなり聴くようになったと以前インタビューでおっしゃっていましたよね?

後藤 「『ファンクラブ』って、アルバムを作り終わった後に、もっと勉強しなきゃダメだなと思ったんだよね」

「何枚目のアルバムですか?」

後藤 「3枚目だね。ヒップホップは、単純に譜割りとか言葉数とかね、ボーカリゼーションの面でも見ても、とてつもないっていうかね。とにかく自由っていうか。だから、ちゃんと聴かなきゃいけないと思ってね。カニエ・ウェストとかはいいなと思って聴いてたんだけど。“何この人とか、すごい!"と思ってね」

「ずっといいですよね、カニエ・ウエストは。本当にすごいです」

後藤 「毎回トラックも変わるから、すごい楽しいし。バックトラックとかを聴いていても、音もいいし、ロックよりも面白いって思ったんだよね。この感じについていかないとダメだなって直感的に思ったんだよな。だけど詳しくないから、とりあえずヒップホップに関する本を読んだんだよね」

「俺もめちゃくちゃ読みましたね」

後藤 「ヒップホップは、エネルギーがとにかくすごいよね。ミュージシャンとしては、ちょっと嫉妬する部分はあるかもね。ギター、ベース、ドラムでやっちゃうと縛りがあるっていうか、自由じゃないところはあるかな」

「へー、そんな風に全然思ったことないですけどね」

後藤 「サンプリングっていうのは、ものすごい手法なんだと思うよ。詞とかも、韻を踏むっていうことが文学的な行為だから」

「そうなんですかね。 全然思ったことないですね。むしろ、韻を踏まなくても成立するようにしようって感じですけど。アルバム『マジックディスク』の詞とか、すごいと思いましたけどね。前半とか特に好きでしたけど」

後藤 「ありがとうございます。ヒップホップは、韻を踏んで競っている部分もあるでしょ? そのスキルを見せていくっていうか? そんな意識はない?」

「僕は、そういうのが薄くなってきている感じがありますね。熟語でカチカチとケツで韻を踏んでいくと、日本語だとどうしても野暮ったくなっちゃうんですよね。だから、一音の母音だけでできるならそれでもいいし。音節の数を増やしたり、あとは1小節目と2小節目のメロディを揃えたりすると、韻を踏まなくても結構綺麗にグルーヴしていくっていうか。そのほうが、よりソフィスティケイトされていく感じがして」

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