INTERVIEW
NADA SURF × 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION) - 前半 -
後藤「僕は、なんか、やっぱり、今の時代でしか書けないものを書けるかどうかっていうことを考えるんだよね。それは、曲もそうなんですけれどね。結局、例えば、オアシスなんかこのアルバムすごいと思うし、ティーンエージ・ファンクラブも、レディオヘッドも、もっとさかのぼって、ザ・フーもニルヴァーナもビートルズも全部すごいんだけど、多分、今はインターネットが普及して、全部、真っ平らに、ライブラリーが引き出せる時代だから、昔の音楽も若い子たちは同時に聴いていて、そういうものとも勝負していかないと、今は新しいものも、聴いてもらえない時代になっているわけでしょ? そういう中で、どうやって、自分たちの独自性を出すかっていったら、というか、そういう昔のものに対して抗うかっていったら、今しかできないことをやるしかない。今しか書けないこと書くっていう。なんか最近は、それが大事な気がするな」
マシュー「うんうん。新作で、経済の衰退に関するリリックを書いていたね。好きだよ。勇気があると思った。そういう意味では、今回僕らがカヴァーしているソフト・パックの『Answer To Yourself』というアルバムも全部いいよ。コーラスで“I’m gonna die before I see my time, I’m gonna die, try anyway”って歌っているけれど、スーパー・ポジティヴィティーなんだよね。僕の場合は、そうだな、音楽なしで、たくさん書くんだ。ただ書いて書いて書くんだ。で、僕がいつも使うことになる言葉は、音楽と同時に出てきた言葉なんだよ。だからオートマティカルな言葉になりがちで。時には、具体的に書くことって難しいんだ。結局使える言葉は、抽象的な感情になってしまうことが多い。でもトピックが増えるのは好きだし、何回か挑戦もしているんだ。選挙をトピックに書いたこともあるよ。難しかったけど、とてもやりがいがあった。だから、誰かが努力しているのを知るのは、励ましになるんだよ」
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