岩崎愛のニューアルバム『TSUBOMI』が5月16日にリリースされた。2016年発表の『It’s Me』から2年越しの本作品は、イギリス・ロンドンでレコーディングを行った。プロデューサー、レコーディング・エンジニアはベッカ・スティーヴンズやエイミー・ワインハウスらを手がけたトロイ・ミラーが担当。現地のミュージシャンたちをバックバンドに据え、出来上がった意欲作は、まごうことなき傑作である。
アルバム毎に大きな変化を遂げてきた岩崎愛。本作においては、海外での録音ということもあり、特にデモ作りなど事前の準備を入念にした上でレコーディングに臨んだという。しかし、結果的に出来上がったアルバムはその枠組みに縛られていくのではなく、むしろそれを自由自在に伸びやかに超えていくような、ソリッドでありながら開放感のある作品に仕上がっている。
制作の過程を通して「音楽の自由さ、楽しさを知った」という彼女。そんなワクワク感を携えて制作された本作は日本のシンガーソングライターが生み出した作品という枠組みを超えて、世界のポップ・ミュージックのシーンともリンクするサウンドを結実させている。
五月に花開くいじらしい蕾(つぼみ)のように、未来への期待に満ちたニューアルバム『TSUBOMI』。解き放たれ、自由を知った岩崎愛のこれからの行き先は誰にも、彼女自身にもわからない。しかし、ここには確かに奇跡のように美しく掛け替えのない音が鳴っている。『TSUBOMI』が、花開くのはきっとこれから。輝かしい未来に向かって、進め、岩崎愛。