「その2つは僕のフェイヴァリット・バンドだしよく比較もされるんだけど、やっぱり凄く嬉しいよ。僕は子供の頃、音楽の勉強とか訓練とかは全然したことがなくって、やったことといえばオアシスやストロークスの曲をギターで弾きながら自分の歌詞を勝手に載っけて歌ったりとかそんなことばっかりしてたんだけど、でも、ロックンロールってそういうことじゃない? オアシスはビートルズやストーンズのような音を出しててグレイトだった。ストロークスはヴェルヴェット・アンダーグラウンドみたいでクールだったし、アークティック・モンキーズはストロークスやリバティーンズのようだった。そうやって偉大な音楽ってものは受け継がれていくもんだし。僕らがオアシスのシンガーがいるストロークスのようなサウンドなんて言われることは本当に光栄だよ。だって僕の目にはその2つは最高のバンドとして映ってるしほとんどの人にとってもそうだと思うし」
プロデュースは、いま名前が出たアークティック・モンキーズ、そしてカサビアンやアデル等も手がけたジム・アビスですが、彼の印象はどうでした?「レコーディング前に一緒に仕事したいプロデューサーを何人かリストアップしてて、もちろん彼の名前も挙がってたんだけど、ジムは…例えばビートルズがもしいま生き返って復活してプロデュースしてくれってお願いしに来たとしても、自分がいい曲だって思わなければ絶対仕事をしないってタイプの人なんだよね。彼がプロデュースしてきたアーティストはもちろん僕らも大好きだったし、だから彼が『プロデュースしたい』って言ってくれたことにはホントびっくりしたけど凄く名誉なことだって思ったし、自分たちの音楽に自信が持てた瞬間でもあったんだよね」
共同作業した中で刺激的なことはありましたか?「例えば、『(ジムが手がけたアークティック・モンキーズの)このベースの音が好きなんだよね。こういうのやりたいんだけど』って僕が言ったとしたら、彼は『こういうの好きなんだ? じゃあ、絶対にやらないでおこう』って言って、意識的に僕が言ったことには反対して全く違うことをやろうとするんだよね。『君が好きなものは、これまでにもう既に誰かにやられてきたものだから、絶対に同じことはしないようにしよう』って言って、とにかく僕らならではの新しいサウンドを探そうとしてくれたんだ。さっきもオアシスやストロークスの名前が挙がってし、これまでに他にもクークスやキラーズとかいろいろ較べられたり似てるって言われたりしてきたけど、それだけいろいろ比較されるってことは、逆に言うと『これだ!』『あれと同じだ』ってものがないってことでもあると思うんだよね。他の誰とも同じじゃない自分たちだけの独自のサウンドを追求出来たのはやっぱりジムのおかげかな。素晴らしいプロデューサーで天才だよ」
では、最後の質問です。もし自分たちが音楽イベントをキュレートするとしたら、誰をブッキングしたいですか? 5アーティスト挙げてみてください。「まずヘッドライナーは…僕らかな(笑)。儲かりそうだし(笑)。それは冗談として、まずはストリーツ。僕の大好きなアーティストなんだ。彼をトリにしようかな。みんながどう思うかはわからないけど、僕にとっては最高のヘッドライナーだね。それから、ヴァン・モリソン(注:ヴァンという名前は父親が熱狂的なヴァン・モリソンのファンだったから…という逸話もある)。そして、オアシス。あとは…やっぱりビートルズ。もうひとつは…(かなり悩んで)…やっぱり僕らを入れようかな。最近、自分たちで自分たちのことを世界で最高なバンドなんだって公言してるから、それなのに出ないってのはおかしいし(笑)。自分たちが出ちゃったら飲みながら楽しめないのだけは残念だけどね(笑)」