──横須賀って、都会と言えば都会ですよね。
猪股「田舎って言えば田舎なんですけどね」
──CDを買いに行こうと思えば買いに行ける場所ですよね。
猪股「そうですね。田舎的な環境なんだけど、東京に出るにも1時間くらいだし。でも、住んでいるところは田舎だから、田舎的なセンスも持ち合わせつつ都会的な知識も得られる場所っていうか。横須賀とか逗子ってそういう場所なんだろうなって思ってます。横浜まで行くと都会なんだけど」
──ご兄弟はいらしゃいますか?
猪股「妹と弟がいます」
──猪股くんは、長男なんですね。お兄さんやお姉さんがいると、そこから影響も受けたりしそうですけど。
猪股「でも家にレコードがたくさんあって。昔のロックとかフォークとかアメリカのサザンロックとか。イーグルスとかジャクソン・ブラウンとかドゥービー・ブラザーズとかはっぴいえんどとか。リトル・フィートのレコードとかたくさんあって。そういうのは、自分で好んで聴いていたわけではないけど、家で自然に流れていたから聴いて育ってきて、少しは影響があるかもしれない」
──ご両親が音楽好きだったんですか?
猪股「そうです。父さんが、元々ドラムをやっていて。やっていたって言っても趣味程度なんですけど、だからレコードはたくさんあったんですよ。子どもの頃は、聴かされると“うぜぇな(笑)"って、思ってたんだけど」
──音楽の英才教育を受けていたんじゃないですか!?
猪股「そんなんじゃないですけど(笑)。中1か中2の誕生日プレゼントで、親からギターを与えられて。“楽器でも持っていれば、超暗い子どもにならないだろう"とか思ったらしく」
──ギターがあれば、脇道にそれないだろうという親御さんの願いもあって(笑)。
猪股「そうそうそう(笑)。それでギターを与えられて、その頃はミスチルとか好きだったから、そういうのを聴いてギターを弾いていました。その頃、進研ゼミのコマーシャルで奥田民生さんの『人の息子』って曲が使われていて、その曲をテレビで奥田民生さんがギター弾きながら歌ってたんですよ。それで、“いいな"って思って、民生さんのアルバム『29』を買ったんですよ。それには、『人の息子』は入ってなかったんですけど。それが自分の中で、昔から好きだったJポップとロックを繋げるきっかけだったんじゃないかと思います」
──猪股くんが中学生くらいのときに民生さんがソロで始動しだした時期ですもんね。
猪股「そうですね」
──ご両親がプレゼントしてくれたギターで始めて弾いた曲って何だったんですか?
猪股「アコギだったんですけど、オザケン(小沢健二)だった気がします。知り合いのおじさんでギターを弾ける人がいたので、チューニングの仕方だけ習って。あとは、教則本を買って」
──中学のときは、ひとりでギターを弾いているだけだったんですね。
猪股「そうです」
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