TOSHI-LOW(BRAHMAN/OQU)
×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)[後半]
──そういえば私「ブッチャーズ(bloodthirsty butchers)って歌下手じゃないですか?」って言われて絶句したことがあるな。それが何?あなたどこを聴いてるの? っていう。
TOSHI-LOW
「それって……梅干って酸っぱすぎないですか? みたいな話だよね、俺らからしたら(笑)。じゃあお前、あの歌にあのコードを当てることができんのか? って聞きたいよね。ヨウちゃん(吉村秀樹)のあのギターのさ、あのコードにどれだけの人が影響されてきたかっていう話で。コードも弾くのは簡単だよ、手の形覚えりゃいいんだから。でもあの歌にあのコード当てる、その最初をやる人間がどれだけ勇気があってどれだけ大変だったか。そこにオリジナリティがあるわけじゃん」
後藤
「うん、リズムとかも、あのヨレがたまらないっていうの多いですもんね。結局上手いとか下手とか気にしてるうちに、オリジナリティって消えていきますよね。なんか音像とか似てきちゃう」
TOSHI-LOW
「結局プロトゥールスで直せばボーカルも簡単じゃん。それで本当にいいんだったらね。だからアレじゃない? もう韓国みたいに口パク禁止法を作ってさぁ。それで全フェス見たら自分たちが信じてたものがどのくらいかっちゅうのがわかるよ。あとイヤモニもダメだね。あれ片っぽだけ塞ぐでしょ、障害起きるんだって」
後藤
「やるなら両方やれって言われますね。僕もイヤモニ止めたんですよ。一回試したけど……これは自分の好きな音楽とは違うっていう気がして」
TOSHI-LOW
「違うよ。だって耳塞いじゃったらオーディエンスの声とか空気感はどうやって感じるの? 目ぇつぶってんのと一緒じゃん」
後藤
「そう、アンプが背中で鳴ってんのもわかんないし、コミュニケーション取れなくなっちゃう」
TOSHI-LOW
「そこを遮断してまで、上手く歌う必要があるのかと俺は思っていて。まぁ俺が……下手が言っても説得力ないんだけど(笑)。でもなんかさ、見てるものが違うんだなって感じるよね。俺とか、もうベロベロで歌えないシェーン(ポーグス)を泣いて見てんだよ? その人がいるっていうだけで。存在感がもう凄くて。そうなると音楽なんか二の次になっちゃう」
後藤
「酔っ払って立てないのを見れたのが良し、っていう」
TOSHI-LOW
「それで涙ぐむ。涙ぐむっていうか完全に涙するからね(笑)。フジロックのホワイトでHR(バッド・ブレインズ)が立っただけで泣いてるから。クララかHRかっていう話だよ、マジで(笑)。もはや……何見てんだろうね? でもそんくらい面白いんだよ、音楽って。上手い下手で判断する聴き方は否定しないけど、音楽とかバンドが持つ面白さの何割かしか聴いてないんじゃないかなって思う。2〜3割でしょ、CDで出せる程度の面白さ」
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