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千葉真子 ×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

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千葉「グッときた曲とかジャンルは何だったんですか?」

後藤「当時グッときたのは、イギリスやアメリカのロック・ミュージックですね。その当時は、ロックスターみたいな音楽じゃなくて、イギリスで言ったら労働者階級っていうか、働いても働いてもお金にならなくて生活保護を受けているような連中の中から、すごいバンドが出てきたり。アメリカで言ったら、ベックとか。“僕は負け犬だ ほら殺せ"みたいな歌で。当時のアメリカの若者のメンタリティを歌ったようなミュージシャンが出てきて。僕は、それに勇気付けられたっていうか、波長が合ったんですね。自分も野球を終えて、何にもないやって気分だったので。スポーツをやって得た物もたくさんありますけど」

千葉「スポーツで得たものって、例えば何ですか?」

後藤「僕は、チームプレイの競技だったから、補欠から見た人間関係とか、今でも活きている気がしますね。中学校まではレギュラーでやっていたんですけど、高校に入ってからは補欠になって。そこから見える人間関係というか」

千葉「なるほど。人の痛みがわかるというか。私自身も競技をやってきて、いいときばっかりではなくて。いい時期は本当に一握りで、十分の一くらいでしたから。あとは怪我とか全然走れないってことが多かったんで、やっぱりそういう挫折だとか落ち込んでいた時期に、大事なことを気がします。人の弱みとか自分自身の弱さとも向き合って、弱い人の立場に立つことでやさしい心を学べて、思いやりの気持ちを持てるようになりました。メダルを取るとか速く走るとか以上にすごく勉強になったし、心が豊かになれたかなって感じてますね」

後藤「そうですね。例えば、野球とかチームメイトがいて、失敗とか敗戦とかを分かちあえる人達がいるから、ある程度和らげられる部分があると思うんですけど、マラソンって個人競技じゃないですか。そういう気持ちのもっていきどころっていうのは?自分は個人競技をやったことがないので。歌を歌っているときは誰も助けてくれないけど、その気持ちと似ているんですかね?」

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