山本幹宗(The Cigavettes)
×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
──歌詞は、お兄さんに一任しているんですか?
山本
「そうです。歌う人が書いたほうがいいと思って」
後藤
「新作の中で、いちばん気に入っている一節はどこなの?」
山本
「7曲目の『My Girl』の“ねえ君は狂ってるの? 『私のことを歌ってよ』だなんてさ"っていうのが、いいじゃないですかね。おそらく、言われたんじゃないですかね(笑)。ここがキラーだと思いますね」
後藤
「英語の歌詞の脇に、和訳が付いているのが不思議。それは、The Cigavettesに限らないんだけど、内容をわかってほしいっていうのがね。だったら、日本語で歌ったらいいじゃんっていう突っ込みは無粋なんだけどね。それとこれとは話が別だと思うし」
山本
「英詞の隣に日本語詞は絶対載せたくて。自分が、ずっとそうやって歌詞カードを見ながら聴いていたんで」
後藤
「それが原体験っていうのは、大きいかもね。俺は、詞がついてないCDを買ってたから、海外のアーティストの歌詞を気にし始めたのは、ここ何年かだよ。ビートルズだったら、詞も見てたけどさ。和訳は、幹宗がしているの?」
山本
「俺とお兄ちゃんで、それなりの感じになるように。英詞と和訳を隣に並べているのは、英詞を見て言葉のリズムを感じながら、すぐ意味がわかるようにしたかったんですよ。俺は、そういう聴き方をしていたんで。英詞で書いている日本のバンドでリズムが悪い歌も多くて、俺たちはそうならないように乗せ方を勉強して作ってるんです」
後藤
「The Cigavettesは、ちゃんと韻を踏んでいるよね」
山本
「でも、踏み過ぎず崩れるようにしてますね。自然を装ってますけど、すごい頑張って作ってるんです」
後藤
「それ、すごいわかるな。洋楽がルーツにあると韻を踏むっていうのは、意識するよね。ヒップホップみたいにガチガチじゃないけど、ちゃんと韻を踏みたいなっていうのはあるよね。それは、ノエル・ギャラガーの言葉“詞は韻を踏むもんだ"っていうのを受けてなんだけど」
山本
「俺もそうです。『Some Might Say』の“Itchin' in the kitchen"とか(笑)。素晴らしいですよね。意味はあんまりないなって思ったけど(笑)」
後藤
「ノエルは、すごく韻を踏むからね。オアシスの最初のころの歌詞は言葉遊びで、本人は意味なんてないよって言ってるんだよね。でも、大きな意味では希望を持つような言葉を選んでると思うんだよね。ディティールに関しては、言葉を選ぶときにサウンド的にいい言葉を選んでるんだよ。でも、無意味かって言ったらそうじゃないっていうのが、作詞の面白いところで。言葉自体に意味があるから、無意味ってことはない。それは、オアシスから勉強したよね。The Cigavettesもそういう感じがするよね。文学性がないわけじゃくて、気にしているように感じる」
山本
「気にしてますよ。昔、買ったジミヘンのCDに歌詞カードが付いてなくて、歌詞を読みたくてジミヘンのスコア買いましたもん」
後藤
「全体的な内容がどうとかじゃなくて、センテンスでクールとかクールじゃないとかを見ている気がするけどね。さっきの“ここのフレーズがいいですよ"とか言う幹宗の話を聞くと。俺よりはサウンド寄りのところから詞を見ているし。あとは、どういう風に自分たちの音楽を聴いてほしいと思ってるの? J-POP好きの人にも届かせたいとは思っているの?」
山本
「なんとなく。ベイシティローラーズのように」
──そういう意味では、今度の出演される「NANO-MUGEN CIRCUIT 2012」は、ひとつのきっかけになるかもしれないですね。アジカンを目当てに来たお客さんも、ダイレクトにいい音楽には反応してくれる人たちだと思うので。
後藤
「本当にそうだと思います。特にここ何年かは『NANO-MUGEN FES.』を続けてきた成果もあって。The Cigavettesっていいバンドだなって知ってもらうきっかけになったら、いいなと思いますね。いい音楽が世に広がっていくのは、リスナーとしての自分にとってもプラスだし、ミュージシャンとしてもプラスだしね。何年か経ってThe Cigavettesとフェスのトリを取り合えるくらいになったらいいですね」
山本
「俺たちの音楽を聴いてほしいし、CDも買ってもらえるようないいライブをしたいですね」
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