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04 Limited Sazabys 「AIM」

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04 Limited Sazabys -LINK-

オフィシャルサイト(JP)
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古田琴美─2016.6.22─

IMG_9278.JPG

名古屋在住、04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)の音楽との出会いは、私がまだタワーレコード渋谷店で勤務していた頃、インディーズ時代にリリースした「swim」が店内で流れていた2014年だった。



その後2015年にメジャーデビューを経て、今、更に勢いが増しているバンドなのだが、フォーリミの楽曲は、歌声と歌詞とメロディのバランスが素晴らしいなと思う。メロディがキャッチーで、言葉のセンスも良いから歌詞が自然と耳に入ってくるし、歌声も良いし、気持ちが歌に乗って伝わってくる。インディーズデビュー時は全て英語詞の楽曲だったが、後に日本語詞で自分達の世界観を描くことによって、伝えたいことが明白になり、断然良くなった。そして、作詞・作曲を手掛けるBa.Vo GENの、人間力の深さや闇が見えてくるところも良いなぁと思う。
 
”あの日の自分を許せないな
選び間違えた日々を返せよ”
 
”あの日の自分を許したいな
大人のフリして諦めては”

 
という過去と今の自分達の葛藤を表現する部分も、今の若者、そしてその時代を過ごしてきた人たちの心にも刺さり、支持され、共感を呼ぶのだろうと思う。

以下曲も良くて、ライブでのダイブ&モッシュの光景が目に浮かび、想像するだけでもワクワクする。(自分はその光景を見て楽しむだけなのだが)
 
「monolith」MV
 

そして『CAVE』というアルバムがメジャーからリリースされ「Terminal」という楽曲にも打ちのめされたので、今作『AIM』のリリースのタイミングでレコメンドを書こうと思った。
 
「Terminal」MV
 

まず、何故このタイミングでレコメンドを書こうかと思ったかというと、彼等の音楽に出会ってから2年の月日が経ち、イベントで初めてライブを観て、心を動かされたからだ。
 
音源を聴いてから、ライブを観るまで、とても長かった様に思う。これまでもライブを観る機会は沢山あったのだが、なんとなく、観るタイミングを逃していた。
 
アーティストの人気が出てきてからハマって、もっと前から観ておけば良かった、などの言葉を良く聞くけど、私は全くそうは思ったことはなくて、むしろ、その時はその時で他のことに夢中だっただろうし、それはそれで良かっただろうし、今出会えたということに意味がある、と思っている。
 
もちろん早くから出会えるアーティストもいる。でも、そういう人生のタイミングというか、出会いというのは、その時がすべてだと思うからだ。

そして今年の5月、いよいよタイミングが合い、ライブを初めて観ることが出来た。
 
ライブでは、オーディエンスが彼等の奏でる音楽や夢に自分を重ねるように、目を輝かせ、ライブを観ていた。それに応える彼等は少年の様にとてもキラキラしていて、カッコつけず、がむしゃらに演奏していたその光景を2階席から観ていた私は、久しぶりに懐かしい感情が蘇ってきて、胸が熱くなった。

観ている最中、沢山の事が頭に浮かび、タワー時代初期にパンクバイヤーを務めていた頃、パンクバンドの音源を聴き込んでいたことや、ライブも行ける限り観ていた事を思い出して、エモーショナルな気持ちになった。そしてあるアーティストを思い出してしまったのがハマる決定打だったのかもしれない。今活動休止している、ELLEGARDENだ。
 
また彼等が盛んに活動している時、沢山のライブを観ていた。彼等の音源は当たり前に好きだったが、現在はthe HIATUSとMONOEYESで活躍しているVo.Gt 細美武士の人間力も好きだった。オーディエンスの弱さも哀しみも日頃の鬱憤も全て、人生のわずかな時間で受け止め、放ち、笑顔にして帰していく、その姿勢が好きだった。
 
そしてフォーリミのBa.Vo GENには、彼の人間力に近いものを感じた。
 
作詞・作曲をしているGENの音楽ルーツを辿ると、洋楽から邦楽までジャンル問わず聴いていて、”人生狂わせてくれた日本のバンド”という中には、アジカンの『君繋ファイブエム』がはいっていたのも嬉しい気持ちになった。(04genlsさんの写真 Instagramより
 
”好きなミュージシャンのルーツは必ず辿る”という、私がまだ音楽の仕事を始めてなかった頃から座右の銘の様に行っていたことが、音楽の仕事をし始めてから更にエスカレートし、職業病の様になっていた。そして音楽の仕事を辞めてからもうすぐ1年が経とうとしているのに、やはり染み付いたものは抜けず、未だに繰り返している。
 
フォーリミの楽曲を聴いていると、色々なアーティストの音が聴こえる。そして、ルーツを辿っていくと、やっぱりな、とか、これにも影響を受けてたのか!と意外な発見もあり、とても楽しかった。
 
私がレコメンドする決定打は、音源が良いことは当たり前で、音楽のルーツや、音楽に対する考え方、ライブでの表現力、人間力も含む。音源が良ければそれで良いという意見もあるけれど、これもまた職業柄私が譲れなかったことで、必ずライブも観てきた。
 
音源を聴いて、気になり、調べ上げる。そこで完結することも出来るが、ライブでは嘘がつけないし、ミスをしたら修正もきかない。生だから、何が起こるかもわからない。でも、それさえもとことん楽しみながら、最後には笑顔でライブを終えられるか。

MCで良いことを言えなかったり、MCが全くなかったとしても、ライブを観ていれば、曲を聴けば、何を言いたいかがわかる。ライブにはそういった、人間力が必要だと思う。
 
このタイミングで、04 Limited Sazabysという新しいアーティストが増えたのは、私にとって嬉しい出来事だった。
 
「climb」MV


今作『AIM』は、MVにもなっているリード曲「climb」含む全4曲。全曲リード曲にしても良いほどキャッチーで、ライブでも良い景色が見えそうな曲ばかりだ。その中でも「climb」はデビュー当時のメロコア色全開の2ビート。ただし原点回帰ではなく、歌詞では”もっと高みを目指す”と歌っている。
 
Hi-STANDARDに憧れ、AIR JAMに影響を受け、同世代のバンドを集めた自身が主催するフェス「YON FES 2016」も、今年の4月に彼等の地元名古屋で初開催され、2日間で約2万人を動員し大成功をおさめたばかり。
 
バンド自身が好きなアーティストを呼んで、オーディエンスと共に楽しむ。そして音楽がまた転がって、繋がっていく。音楽好きにとって、こんなに幸せなことはない。
 
現在はストレイテナー、ACIDMAN等を対バンに招いて全国ツアー真っ只中の彼等。7/9に開催されるツアーファイナルの豊洲PITワンマンはもちろんソールドアウト。更に勢いを増している彼等が、今後とんでもないところまでいきそうで、ワクワクしている。
 
そしてこれから何が起こったとしても、しっかりと足元を見つめ、自分達なりの覚悟と挑戦を繰り返し、どんどん上に登りつめていってほしいと心から願う。
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古田琴美

BIO
タワーレコード渋谷店に2003.4月〜2015.7月まで勤務していました。
Twitter:http://twitter.com/kotomifuruta