今回のレコメンドは思いっきり趣味です。完全に聴く人を選ぶ音ですが、もしかしたらこれをきっかけに、他に代替品の決して無い素晴らしきSWANSの世界にハマる人がいるかもしれないので書きます。というか、自分の近辺 にはSWANSの話を共有できる人はいませんので、是非ハマっていただけると幸いです(笑)

このバンドは８０年代初期、NYのアンダーグラウンドシーンからソニックユースと共に”ジャンク”という「どうなの？」というネーミングのジャンルとして日本に伝わってきました。でも、初めて聴いたらそりゃ”ジャンク”としか言いようがない音です。でも、後に”スラッジ”とか”インダストリアル”とか”アンビエント”というジャンルのバンド達に絶大な影響を与えたことで、ただの狂暴な音だったわけじゃない事が世間にやんわりと伝わったバンドです。なんというか、ノイズというか狂暴な音を求めていくと最後に”たどり着く”バンドなんですね。自分の中では、「狂暴な音」と聴いて最初に思い浮かぶのが初期SWANSです。重いギターと金属をぶっ叩くような ノイズと呪術的なボーカルが反復する様は、初期の名作「Filth/Body to Body, Job to Job」のジャケよろしく、あらゆるものを噛み砕きます。  初期と書いたのは活動時期によってビックリするぐらい音楽性が違うからなんですが、話すと長いので各自調査して下さい。

そんなSWANSがなんと１４年ぶりに新作を出したんです。もちろん自分もリアルタイムで聴いてたわけではないので、リリースに立ち会う事自体が初体験なわけで。そんな自分が言うのもなんなんですけど、かなり聴きやすく、かつSWANSらしさ全開のアルバムだと思うんです。

マイスペースでも音源聴けますが、いい年してひたすらノイズまき散らす姿が素敵なライブ映像をぜひ。


個人的なベストトラックはマイスペースで聴ける”Eden Prison”です。

解ります。言いたい事は解ります。「なんのこっちゃ」という音ですよね。(笑)
でも自分は、モグワイのこの曲 とかシガー・ロスのこの曲は、SWANSをデフォルメして解りやすくしたものだと思っているのです。 どちらの曲も後半のカタルシスが解りやすく凄いですよね？
それを節度を限りなく無くしたものがSWANSだと思って聴いてみると、興奮できるかもしれません。これはニルヴァーナとピクシーズの関係にも似てるかもしれませんね。

やっぱり、オリジナリティーありすぎる音楽ってとっつきにくいと思うんですよ。自分もローリング・ストーンズを初めて聴いた時から格好良いと思って聴けたかというとそうではないし。だから、自分なりに今好きな音楽を媒介にしてさらに極端なものに興味をもっていく事ができれば、音楽は無限に楽しめます。そういう意味ではYoutubeのリンクをたどっていくのも一つの手ですね。興味持った人は是非、SWANSの初期のライブを観てみてはどうでしょう。
でも、彼女や小さいお子さんと一緒に観るのは止めた方がいいと思います(笑)。