only in dreams

INTERVIEW

2022年 ベストアルバム

2022年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。

(2022.12.23)

The Best Albums of 2022

後藤 正文
(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
「Mr. Morale & The Big Steppers」 - Kendrick Lamar

若かりしボブ・ディランを生身で体験できなかった僕たちには、ケンドリック・ラマーがいる。とはいえ、ちゃんと捕まえられているのかもわからない、巨大な存在と作品。

「Meet The Moonlight」 - Jack Johnson

ブレイク・ミルズが手がけた全く新しいジャック・ジョンソン。ギターの音色だけで昇天してしまいそうな、豊かな音像。

「Dragon New Warm Mountain I Believe In You」 - Big Thief

来日公演が素晴らしかった。オーセンティックなフォークやカントリーミュージックと形骸化していないパンクやオルタナティブが最高のかたちで衝突してる。

「Betsu No Jikan」 - 岡田拓郎

思索と実験。言葉を多用しなくても、彼のなかに蓄積された文学的な言語や音楽的な言語がどれほど豊かで底知れないのかを感じさせてくれる傑作。

「God Saves The Animals」 - Alex G

Runnerの一節を聴いただけで、自分がこの世に生まれたことを祝いたくなる。どこまでもクソな世の中にだって、私たちらしい光やフィーリングがある。

「Untidy Soul」 - Samm Henshaw

Broke、そしてChurch。待ちに待ったSamm Henshawのアルバムにはどちらの曲も入ってなかった。仏教徒にも届く最高の包容力、ハーモニーとフィールとテクスチャー。

「NIA」 - 中村佳穂

結婚式の車が空き缶の代わりに、言葉を転がして走っていく感じ。音楽がまるごと、すべてを引き連れて、中村佳穂のかたちをして駆け抜けている。

「Wet Leg」 - Wet Leg

何千回も聴いた、あの感じ。手を替え品を替え、いつも誰かがやっているあれ。でも、それだって違いを見せてくれる人たちが続くから、音楽は一生飽きない。

「A Light for Attracting Attention」 - The Smile

You Will Never Work In Television Againを聴いて、衝動的にシンプルな構成のロックバンドをやりたいと思った。いつもやってるやん、自分っていう。やっぱりナイジェル・ゴドリッチってすごい。

「View With A Room」 - Julian Lage

まったりと太くて艶やかなボトムに、蕩けそうな残響。サブウーハーを持ってるひとはONにして聴いてほしい。ギター音楽が若者に受けなくても、このアルバムが存在するならそれでいい。

後藤 正文
(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤 正文
WEB
BIO

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。これまでにキューンミュージック(ソニー)から10枚のオリジナル・アルバムを発表。

2010年に自身主宰のレーベル「only in dreams」を発足。
また、エッセイや小説の執筆といった文筆業や、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』を編集長として発行し続け、2018年からは新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞『APPLE VINEGAR -Music Award-』の立ち上げなど、音楽はもちろん社会とコミットした言動でも注目されている。

2020年12月2日、約4年半ぶりとなるGotch名義のソロアルバム『Lives By The Sea』を発表。
今年、自身の誕生日に新曲「Bootlegged Emotions」をBandcampにてリリース。
著書に『何度でもオールライトと歌え』『YOROZU~妄想の民俗史~』『凍った脳みそ』他、最新刊には『INU COMMUNICATION』。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONとしては、2022年バンド結成26周年を迎え、同年3月30日に10枚目となるオリジナルアルバム「プラネットフォークス」をリリース。
また、2023年2月8日にリリースとなる、30枚目となるニューシングル「宿縁」が、テレビ東京系アニメーション『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』の2023年1月クールオープニングテーマに決定している。

ページTOPへ戻る