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(2018.12.25)

2018年ベストアルバム

2018年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。

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佐野 史紀(SOFT TOUCH)

Digital Native(初回限定盤)<CD2枚組>
Digital Native
中田ヤスタカ
球体(スマプラ対応)
球体
三浦大知
RUN(特典なし)
RUN
tofubeats
サニーデイ・サービス BEST 1995-2018
サニーデイ・サービス BEST 1995-2018
サニーデイ・サービス
コーション
Caution
マライア・キャリー

 今年も素晴らしい音楽が溢れる年でした。また、終末観と新たな時代への希求が交差する時でもあるように感じます。
 鳴らされるサウンドは何処からきたのか、またその故郷を意識させる音楽や、その場の調子を一気に塗り替えてくれるような作品、音楽という範囲外の”音楽”と呼ばれるサウンドスケープなど、多くの楽しい作品に出会うことができて大変興奮しました。レコードやCDなどのフィジカルメディアの人気の根強さと、月額制の配信サービスの動向は、目を離す事ができず、また、その影響下に我々の音楽制作が位置しているように思えます。音楽メディアの変遷に左右されているようにも思えますが、 いずれにせよ進化と捉えることで新しい音楽を作る刺激となればいいなと思っています。

『Skylight』- Pinegrove
マイナーキーを基調とする穏やかな風景に乗せられる”情緒的”な歌声がとても素晴らしいです。日々の憂いや喜びを、言葉を越え、共に受け留めてくれるような音楽に感じます。穏やかなテンポ、部屋鳴りに包まれた音像は、懐かしくも新しく耳に馴染みます。

『愛をあるだけ、すべて』- KIRINJI
楽器の鳴り方に心惹かれました。楽器同士の音域を広げることで振り幅のある音像が得られているように感じます。旋律を包み込む開離配置された和声は、メロディや言葉の世界観を効果的に広げることができる。という気付きが有りました。普遍的でいて新鮮に響いた作品。

『sleep like it's winter』- Jim O'Rourke
和声的な音楽の中に、崇高な環境世界が存在しているような作品。ドローン・ノイズ的風景を和音で表現されているところに、この作品から人懐こさを感じます。アカデミックと親しみが共存する電子音楽。早朝の読書の際に聴いています。

『ネット上の人間関係についての簡単な調査』- THE 1975
アルバムタイトルが気になります。オンラインというネットワークの持つ世界フィルターを通過したバンドサウンド。西欧や北欧的な音像でしょうか。具体的には、牧歌的な温もりあるメロディを残響豊かなサウンドで包み込むところが、雰囲気あって好きです。肌寒いこの季節、部屋でよく聴きます。とても心地良いです。

『NOW PLAYING』- AL
ストレートなバンドサウンドが求める世界観。受け取る情報は最小でいて無限の可能性を感じます。聴き手の心にスッと入ってきます。

『Digital Native』- 中田ヤスタカ
汎用DSP編集ツールによる先進的技術と、ポップ・ミュージックの邂逅。テクノロジーの進歩による新しい表現の可能性を感じました。それと共に、歌や旋律の持つチカラあっての音楽なのだと改めて感じることができ、とても素晴らしいです。

『球体』- 三浦大知
なんとなく眺めていたツイッターのTL上で知りました。コンセプチュアルな静動コントラストが印象的な作品。よく聴かせていただきました。

『RUN』- tofubeats
格好良いですね。他のトラックメイカーの作品を聴いて、感情を揺さぶられることがある。しかしさらに、胸の内を搔きむしるのはtofubeatsのこの作品。日々の憂いや希望を、聴き手に寄り添い語りかけるようなソングライツ。

『サニーデイ・サービス BEST 1995-2018』- サニーデイ・サービス
名曲揃いのベストのリリース、本当に嬉しいです。アルバムジャケットもとても格好良いです。「恋人の部屋」という曲はその昔、タッチでカヴァーしたことを思い出しました。好きな歌です。

『Caution』- マライア・キャリー
本作にてマライアの作品を初めて聴きました。どこか和的なR&Bのように聴こえたのが、好きになったきっかけです。これまで「邦・洋楽的」というそれぞれのフィルターを通すことで音楽を解釈してきた自分でしたが、近年、それらの境界線が無くなってきていることを強く感じさせられた作品。

以上、ありがとうございました。

佐野 史紀(SOFT TOUCH)

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WEB
http://soft-touch.info/

BIO
1976年生まれ、ソフトタッチのボーカルとギターを担当。BEDTOWNのボーカルとギターも担当。今年9月にソフトタッチ10年ぶりのアルバム「リビルド」をリリースしました。

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