INTERVIEW
2015年ベストアルバム
2015年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。
Matthew Caws(NADA SURF) が選ぶ2015年 ベストアルバム
SUFJAN STEVENS
telekinesis
moving panoramas
Courtney Barnett
amy bezunartea
mac macaughan
matthew e. white
ezra furman
Father John Misty
beach house, depression cherry
美しく催眠的。遠くから心地良く聴こえてくる音色。耳を澄ませば音に色彩を感じる。ドラムマシーンが全ての音をまとめ、メロディの人間性と声を通って輝かせる。リリックまでまだ堪能してはいないけどきっと良いに違いない、僕にはまだサウンドしか耳に入ってこない、今はそれだけで十分だ。
bsufjan stevens, carrie & lowell
歌を通じて両親の物語を話すsufjan stevensはピッキングギターとバンジョーとシンプルなピアノで音を組み立てていく。複雑なメロディのせいか何度繰り返しても単調に聴こえない。心動かされる素晴らしいこのアルバムには良い感触の寂しさがある。
telekinesis, ad infinitum
Michael Lernerは元々ドラム奏者で、telekinesis. ad infinitumとしてアルバムを制作するためにギターとベースを学び(素晴らしい作曲も)ほとんどギターを使わずドラムだけの音で作るという驚異的な冒険に出た、そこにシンセとシークエンサーをプラグインして完成させ、豪華でほろ苦い新しい世界観を作り上げた。
moving panoramas, one
柔らかなロックとシンプルで心地良い広がりを彷彿させるleslie sisson and companyはテキサス州オースティンから徐々にブレーク。まるでコンサートから戻った後に夜遅く書かれた感じがする全曲はゆっくり温め作られた寛大な贈り物たち。
courtney barnett, sometimes i sit and think, and sometimes i just sit
たまにソングライターは昔あったモノを新鮮にかつ意欲的に再現することがある。courtney barnettの場合は日々の些細な暮らしの概念を歌詞で表現。まるで必要に応じて訴え掛けるように。古典的なオーストラリア伝統音楽にのせて曲は美しくもタフに生まれ変わった。
amy bezunartea, new villain
amy bezunarteaのスタイルはモロさ(サウンド、流れ)と強さ(歌詞、メロディ)のバランスが驚くほど絶妙に良く。自信に満ちていて決して媚びない。例えどことことなく怖さがあっても、その中にある素直さが安心できる。
mac macaughan, non-believers
元the whoのpete townshendのscoop collectionをフェイバリットアルバムの一つとして掲げるけど、superchunkのmac macaguhanのソロ作品も元フロントマンだけに僕にとってはさらに興味深くエキサイティング。地下室で孤独な時間に蒸留された音の感じがアルバムから聞こえてくる。まだこの偉大なアルバムを探っている最中で、きっともっと発見があるに違いない。
matthew e. white, fresh blood
近所のレコート店主に薦められて買ったアルバムを聴いてみたところ余りそそらなかったのに、偉大なる(故)lee hazelwoodのトリビュートコンサートへ行った時にmatthew e. whiteがヴォーカルの一人だったせいか改めてアルバムを聴いてみた。それ以来どんどん魅了され、ついには年間ベストアルバムランキングに入ってしまった。
ezra furman, perpetual motion people
数年前にオーストリアの湖畔のフェスに出演した際にある人物の声に衝撃が走った。その声の持ち主はまだとても若いezra furman率いるバンドthe harpoonsだった。二年後にソロアクトとして我々のツアーにロカビリーとくどいバラードの中間歌手として参加。その後、アルバムごとに成長し今は様々な要素を混ぜて(新しいモノも)世界でもトップクラスのソングライターと成った。2ヶ月前にロンドンで会ったけど、彼は t-rex、哲学、ディラン、とダークユーモア全てだった。
father john misty, i love you honeybear
2012年度にリリースされた"hollywood forever cemetery sings"はその年のお気に入りに。新作のi love you honeybearは一種叙情的でこの部分を理解しようと聴き込み中。時にはファンタジーっぽく、時にはスーパー正直で勇敢さを賞賛。このアルバムもまだ勉強中で、どうやら2016年度へ持ち越しになりそうだ。
Matthew Caws(NADA SURF)
WEB
www.nadasurf.jp (JP)
www.nadasurf.com (US)
NADA SURF / only in dreams
Minor Alps / only in dreams
BIO
NYブルックリンの3ピース・パワーポップ・インディーバンド、ナダ・サーフのフロントマン(G/Vo)。
高校の同級生だったマシューとダニエル・ロルカを中心に93年頃活動をスタートさせたナダ・サーフ。96年デビュー・アルバム『High/Low』が大ヒット、切ないメロディを乗せた瑞々しいポップ・ロックで“ポストWeezer”と賞され一躍メディアを騒がせる存在に。その後、『The Proximity Effect』(98年)『Let Go』(02年)『The Weight Is a Gift』(05年)『Lucky』(08年)『If I Had A Hi-Fi』(2010年)、そして最新作となる『THE STARS ARE INDIFFERENT TO ASTRONOMY』(12年)、とコンスタントにアルバムをリリース。結成以来20余年、豊かな音楽性とセンス、実力を合わせ持った真のインディーとして活動を続け、パワーポップファンのみならず幅広く音楽ファンからリスペクトされる存在である。
日本では、NANO-MUGEN FES. 2009での待望の初来日を果たして以来、SUMMER SONICや単独公演などでも度々来日公演を行っている。
マシュー個人としては、ジュリアナ・ハットフィールドとのニュー・プロジェクト、MINOR ALPSも始動、アルバム『GET THERE』(2013年10月)をリリース。
そしてニュー・アルバム『You Know Who You Are』を3月にリリース予定!
オリジナル・アルバムとしては『Stars Are Indifferent to Astronomy』以来4年ぶりのリリースとなる本作には、
全10曲が収録。そのリリースに先駆けてリード・トラック「Believe You’re Mine」のストリーミングが公開中!
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