INTERVIEW
━━ それでは、選んだレコードを紹介してもらえます?誰からでもいいですよ
● ウェスリー・マイルズ(Vo, Key)
・クラフトワーク『POCKET CALCULATOR b/w DENTAKU』のシングル盤
ウェス「えーっと、僕は・・とその前に、ヴァイナルの素晴らしいところは、異なるフォーマット・サイズがあること。12インチ、僕の大好きな10インチ、7インチ、回転数もそれぞれで・・。そして、また楽しいのがカラー・レコードとかピクチャー・ディスクとか色々あるところなんだよね。 僕はお店全体を見た後、シングル盤のセクションを発掘していたんだけれど、このブラック、グリーン、イエローっていう鮮やかな配色が目に飛び込んできて。素敵なアートワークだし、なによりクラフトワークの「POCKET CALCULATOR」だしね。素晴らしい曲だよ。実は、僕たちにもちょっと関係していて、「BETA LOVE」のドラムマシーンのサウンドの一部は、クラフトワークのドラムパターンから拝借しているんだ。このシングル盤のパッケージングも素晴らしいと思ったし・・」
マシュー「ウェスが最後に話すべきだったよ。絶対一番良い買い物してる(笑)」
マイロ「ちょっと妬ましい感じかも(笑)みんなそう思ってるって」
みな 爆笑
● マイロ・ボナッチ(G)
・ディーヴォ『ARE WE NOT MAN?』/トーキング・ヘッズ『實況録音盤』(日本盤)
マイロ「僕はディーボとトーキング・ヘッズを選んだんだ。このディーヴォのアルバムはもう持っているんだけれど、このアートワークが珍しくてね。このヴァージョンが欲しいな、と思って。 トーキング・ヘッズは素晴らしいライブバンドで大好きなんだけれど、これを聞いたことはなかったので、コレクションに加えないと、と思って」
● レベッカ・ツェラー(Violin)
・フィル・スペクター『Phil Spector’s Wall Of Sound Vol.4 / Yesterday’s Hits-Today/』
・ダイアナ・ロス&シュープリームス『シュープリームス・スーパー・デラックス』日本編集盤
レベッカ「私も店内を一回りした後にフィル・スペクターのコーナーに行ったのよね。 バンドが車で移動する時、特に深夜はマットが私のナビゲーターなんだけれど、フィル・スペクターのコンピをかけてくれたことがあって。1曲1曲がみな素晴らしくて。でも私は持っていなかったから欲しいな、と思っていたの。 で、お目当てのコンピは見つからなかったけど、その代わりを探しているときに、このダイアナ・ロスとシュープリームスも見つけたというわけ。日本盤だし、コンテンポラリーのものも集めているから、ぜひレコード・コレクションに加えたくって」
マシュー「(フィル・スペクターのコンピを指して)この人、スパイナル・タップの人みたいだね」
みな 「確かに!(笑)」
● マシュー・サントス(B)
・フレーミング・リップス『CLOUDS TASTE METALLIC』
・ダーティ・プロジェクターズ『ABOUT TO DIE』EP
・ビーチ・ボーイズ『スマイリー・スマイル』日本盤
マシュー「僕は、フレーミング・リップスの最大級のファンというわけではないんだけれど、“F”のカテゴリーでFALLというバンドを探していて見つけたんだ。オレンジとグリーンの感じがきれいだな、って思ってね。高校生の頃『YOSHIMI BATTLES THE PINK ROBOTS』のCDを買って、凄く好きで良く聴いていたんだけれど、ここ数年は聴いていなかったから、今回このリイシューLPで聴いてみたくなったんだ。
僕はそこまでのレコード・コレクターって訳ではないけれど、USのオリジナル盤で、シールド(未開封)でグリーンのカラー・レコードで・・ってクールだよね。
今日はダーティー・プロジェクターズの事を話す機会が多いんだけれど、今回のアジア・ツアーを一緒に回っていて、彼らの曲が頭の中を回っている感じもあって。このEPはアルバムに先んじて発表されたもので、「ABOUT TO DIE」は僕たちのフェバリットだし、Bサイドも入っていて、おまけに何百枚かの限定盤なんだ、良いよね。
ビーチ・ボーイズのこのレコードは凄く好きで、何枚か持っているんだけれど、日本盤もコレクションに加えようかな、と思って。来日の想い出に何か日本盤を、と思っていたからちょうど良かったんだ。素敵な、素敵なレコードなんだ、アートワークもいいよね。『SMILE』はこのちょっと奇妙でドラッギーなジャングルのアートワークのレコードに取って代われたんだよなー」
みな 「(笑)」
━━ みなさん、他に迷ったものはありました??
ウェス「色々あったんだけれど、高くてね・・」
レベッカ「200ドルくらいしちゃって」
マイロ「後、タイムプレッシャーもあって断念したり」
マシュー「実は、お店に入ったとたんに、このたくさんのレコードの中から、PAUL McCARTNEY の「TEMPORARY SECRETARY」の12インチが最初に目に飛び込んできて・・」
ウェス「(絞り出すように)あぁ・・そうそう。あれはクールだった。」
マシュー「彼の曲の中でも好きな1曲なんだけれど、2万円、120-130ドルくらいしたんだよね。この12インチは見たことがなかったので。欲しかったんだけれど・・。実は、最初はレート計算を間違えて持ち歩いていたんだけれど、後で気付いてあーダメだった・・っていう。あ、12セント?ドル?いや、120ドルだよ!って(みな爆笑)」
ウェス「T-REXものも高かったなー」
レベッカ「あーあれ、確かに高かったわねー」
ウェス「どれをみたの?(レベッカ「エレクトリック〜・・)あー『Electric Warrior』ね、ポスターが入っていた。あとは『Unicorn』の初回プレス盤も200ドルとかしていたかな・・」
FLUXUS ARTのコーナーを真剣に探すマシュー
マシュー「他にも色々と素敵な品揃えがあったよね。フルクサス(60年代にスタートした前衛芸術ムーブメント。オノ・ヨーコらも参加していた)の品揃えはみた??」
マイロ「アヴァンギャルトものとかエレクトロニックのコーナーはみた?moogのセクションもあったよね」
マイロ「そうそう、FのセクションでFallのVICTORA の12インチは見つけたの?」
ウェス「いくらだった?」
マシュー「買える金額だったよ」
などなど・・話しは尽きず。メンバーみな、本当にDIGGERな模様。。
━━ また戻らないといけないですね!お金ためて!
ウェス「不安発作に襲われそう。。全部見つけなきゃって」
━━ 最後に、oidサイトの読者に向けて、アナログ盤の魅力を一言で語って頂けますか??
レベッカ「Tangible! 触れられるもの!」
マイロ「realness! リアルなもの!」
マシュー「truth! 確かなもの!」
ウェス「gooood! いいもの!」
マイロ「nice! ナイスなもの!(笑)」
マシュー「green-like!綠色!(綠:マシューはこの日、綠のものばかりに目が行っていた様です・・)」
全員:爆笑
メンバーみなが、アナログ盤を、そしてもちろん音楽を深く愛している事が伝わってきた今回の密着取材。
ラ・ラ・ライオットは今年のRECORD STORE DAYでも限定盤をリリースする予定があるとのことですので、ぜひお楽しみに!
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