年末の時期になると、国内と海外で分けたベストアルバムリストをSNSや雑誌で見かけますが、さっぱり意味がわかりません。どうして音楽を国で分けたりする必要があるのか、そこにどんな意味があるのか。効用は果たしてあるのか。
…なんてことを書いときながら、今年のベストアルバムは女性アーティストでまとめてみました。「この時代にジェンダーで音楽を区別するのかっ!」と何かにツッコミを入れたがる人たちには怒られそうですが、今年は本当に女性アーティスト(特にオルタナティヴなSSW系)の素晴らしい作品が立て続けにリリースされた年だと思うので、その記憶としてこういうラインナップにしてみました。
上に挙げた他にもYaeji、Julie Byrne、Big Thief、CHAI、Japanese Breakfast、Girlpool、Lana Del Rey、Alvvaysなどなど、10枚に入れてもおかしくない女性アーティストたちの作品がとても多かった一年だったと思います。
ちなみに、女性しばりを無しにして、ベスト20まで枠を拡げたとすると、Jens Lekman、Sorority Noise、Mount Eerie、Father John Misty、Thundercat、Perfume Genius(この人は上に入れるべきだったかも?)、LOSTAGE、The War on Drugs、Alex Cameron、Moses Sumney…といったところが入ってきます(順不同)。
他にもたくさんあるし、毎年毎年そうですが、絞るのは本当に難しくて悩みました。
ベストMVはKamasi Washingtonの「Truth」。各カットがとても美しくて、素晴らしい写真集を見終わった時の感覚に似たものを覚えます。
ベスト・ライヴは、Ogre You Asshole(2/4 LIQUIDROOM)、Father John Misty(7/28 FUJI ROCK FESTIVAL)、Lorde(7/30 FUJI ROCK FESTIVAL)、NOT WONK(8/12 RISING SUN ROCK FESTIVAL)、Phoenix(8/19 SUMMERSONIC)、NONAME(10/7 渋谷WWW X)Jens Lekman(10/17 渋谷7th Floor)、Feist(11/20 赤坂Blitz)。
今年はカメラマン仲間で作った『SQUAD』 http://squad-zine.com/ というZINEを出しました。めちゃめちゃカッコいいフォトグラファーだった三島タカユキさんに誘ってもらえて参加させてもらえたことは、もの凄く嬉しくて光栄なことでした。三島さん、本当にありがとう。
冒頭に書いた話とも繋がりますが、国内/海外の分断がますます進んできてて、海外の音楽をスルーしてる人、それどころか音楽そのものを好きな人が(音楽の業界の中ですら)年々減ってきているのを肌身で感じてて、このままではヤバいのでは…?という危機感というか老害心もあってネガ寄りな感覚を持つことも増えてきましたが、でもやっぱり、単純な話、日々の暮らしの中で、音楽に心揺さぶられたり触発されたりするようなポジの感覚のほうが相変わらず圧倒的に多いです。
反応がなさすぎて時々メゲそうになることもあるけど、懲りずに気にせずに来年も自分が好きな音楽・気になったアーティストはどんどんSNSに書き込んだり言い散らかしたり撮れるだけ撮っていこうと、いち音楽好きとしても、メディアに端くれの一員としても、改めて思い直しているところです。
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BIO
主にミュージシャンのライヴやポートレートを撮っているフォトグラファーをやっています。
音楽と同じくらいフットボールも大好きです。
2017年初頭にミニ写真展を開催予定。
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