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木幡 太郎(avengers in sci-fi)が選ぶ2016年 ベストアルバム

22, A MILLION ─ Bon Iver

Every Now & Then─ Jagwar Ma

Blonde─ Frank Ocean

The Life Of Pablo─Kanye West

META─METAFIVE (高橋幸宏 × 小山田圭吾 × 砂原良徳 × TOWA TEI × ゴンドウトモヒコ × LEO今井)

Farewell, Starlite!─Francis and the Lights

Tell Me If You Like To─ Spring King

Starboy─The Weeknd

Hills End─DMA's

Chaosmosis─ Primal Scream


とりあえず今年よく聴いたかなというアルバム10選。

22, A Million / Bon Iver
かつて「オートチューンをかけずにはいられない」という奇病を患っていたKanye Westが盛大にサンプリングしたのがボン様ことBon Iverの2009年作"Woods"(オートチューンをかけたヴォーカルのレイヤーだけで作られたロボ声のロボ声によるロボ声のためのゴスペルクワイアアカペラナンバー)。
てなわけで、カニエさんの楽曲のみならず客演時には当たり前のようにオートチューンドになりがちなボン様の声。なわけだが、今作ではそんな”カニエさんにフックアップされた部分”が逆流して前代未聞のケミストリーを起こした模様。
オートチューンにヴォコーダー、打ち込みのビートとノイズのエディット。それらロボティックな要素とフォーク、カントリー、ゴスペルあたりの土着&大陸テイストが壮絶なクオリティーで同居する世界。なんちゅうSFだよ。

Every Now And Then / Jagwar Ma
マッドチェスターテイストの強いサウンドだがマンチェスターではなくオーストラリア原産。この辺の時代感を継承するバンドを調べてみるとオーストラリアのバンドってことは妙に多い。夏にオラオラ系の男が大量発生する江ノ島は渋谷のセンター街と地下洞窟で繋がっているということでどうやら間違いないが、オーストラリアとイギリスも1990年代前半に地球規模の地殻変動が起きるまで地続きだったという事でよさそう。オーストラリア=ロックのタスマニア説。

Blonde / Frank Ocean
生まれて初めてのストリーミング体験を捧げたアルバム。あんまり良かったんでCDを買いに某CDショップに走ったらそんなもんはリリースされていないのであった・・。フィジカルのリリースがないためにポップもポスターもなく、この世からこのアルバムの存在が抹消/隠蔽されたような妙な感覚だった。
ステレオタイプなR&Bノイメージとは全く違う空気感で、ひょっとして最近ブラックミュージックってネクストレベルに進んでるの?!って感じ。

The Life Of Pablo / Kanye West
これぞという作家を見つけたら共作をオファーして手っとり早く自分のサウンドにしてしまうのが最近のカニ様のやり方のようで、今作も新旧入り乱れた共同プロデューサーのクレジット(もちろんサンプリングネタも)を見ながら聴くのが楽しい。ちなみにフィジカルのリリースはなくてクレジットがオフィシャルでネットに公開されている。前作に比べるとだいぶまともかな・・?でもやっぱりこれもブラックミュージックのネクストレベルを感じるアルバム。

META / METAFIVE
貫禄が音になった感じ。凄い人達が集まって音源も当たり前に凄いとか、もう僕は何を言えばいいんだろう?何を思えばいいんだろう?こんな夜は会いたくて会いたくて君に会いたくてまた明日を待ってしまう。

Farewell, Starlite! / Francis And The Lights
MVにボン様とカニ様が揃ってフィーチャーされて「フランシスって誰?!」が流行語大賞にノミネートされたのは記憶に新しい。
かつてDrakeのアルバムにプロデュースで参加していたとか、ヴォコーダー風のエフェクトソフトを自ら開発したらしく、それをボン様、カニ様あたりもつかってるんだとか言う記事が出てたりますます素性が分からない。ブルーノマーズもそれらしいエフェクトを新曲の冒頭から使ってたり、Frank Oceanのアルバムのヴォコーダー処理もこいつの仕業という情報も。あっちこっちにこの男の爪痕があって背筋が寒くなる。アメリカ音楽業界の知られざる人脈を見た思い。

Tell Me If You Like To / Spring King
とにかくアグレッシヴなガレージパンク。ドラマーがヴォーカルという変わった構成で彼がエンジニアも兼ねているらしいが、リバーヴの効いたサウンドメイクがいい感じに汚くていいです。カラっとタイトなミックスとかだったら全然違うバンドだろうな〜。「ロックが・・聴きたいです」と三井寿に代わって安西先生に吐露したい今日この頃。

Starboy /The Weeknd
おそらくGet LuckyみたいなのってリクエストしたであろうDaft Punkプロデュースによる"I Feel It Coming"が最高です。ド派手でも斬新でもないんだけどこのめちゃくちゃな良曲感・・・マジックというよりはロジックを感じる。ダフトパンクロジック。

Hills End / DMA's
ロックのタスマニアその2。どうみても休みの日はビール飲みながらサッカー見てそうな雰囲気だし、しまいには"Laced"(アルバム未収録)という曲のMVにはサッカーの映像まででてくる笑。oasisの1st.とThe Stone Rosesを合わせたような曲調。でもオーストラリアのバンド。失業保険もらいながら不良やるためにわざと面接で落ちてそうなトレインスポッティング感が好き。

Chaosmosis / Primal Scream
オープニングの"Trippin' On Your Love"がとにかく最高でこんなのM1にされたらこればっか聴いちゃうよ。
余談だがちょっと後にリリースされたThe Stone Rosesのシングル"Beautiful Thing"(こっちも超最高)と芸風が被り過ぎてて笑った。この人たち絶対居酒屋で一緒に飲んでるよ笑!


Profile

木幡 太郎 (avengers in sci-fi)

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WEB
<オフィシャルサイト>http://www.avengers.jp/
<オフィシャルツイッター>http://twitter.com/avengers_info
<オフィシャルフェイスブック>http://www.facebook.com/avengers.japan

BIO
ギター、ベース、ドラムスという最小限の3ピース編成でありながら、数々のエフェクターを駆使したコズミックで電撃的なロックを響かせ“ロックの宇宙船”とも称される。
09年12月にメジャー・デビュー。木村カエラのシングル『BANZAI』をプロデュースや、CM曲の書き下ろしも手掛けている。
2016年4月に約2年ぶりとなるニューアルバム「Dune」のリリースし、FUJI ROCK FESTIVAL '16出演を始め、全国ワンマンツアーを行った。


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