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jakagawaが選ぶ2015年 ベストアルバム

CARRIE & LOWELL─SUFJAN STEVENS

Wonder Future─ASIAN KUNG-FU GENERATION

Currents─Tame Impala

In Color─Jamie xx

Almost Rainbow─アナログフィッシュ

For All My Sisters─The Cribs

Take Care─シャムキャッツ

The Light In You─Mercury Rev

フランツ・カフカの南アメリカ─DCPRG

Kintsugi─Death Cab For Cutie

曲単位だとKendrick Lamar、Florence and the machine、Rhymesterあたりもたくさん聞いたが、アルバム単位で聞いていたもの中心に選定。

Apple MusicやAWAで音楽との関わり方がもっと劇的に変わるかと思ってたけど、自分は結局アナログとダウンロード音源で生活してしまっていた2015年でした。

個人的に新しいサービスを創る没頭と狂騒の日々にいて、そうこうしているうちに世の中もとんでもないことになってきて、スフィアン・スティーブンスに何度も夜中に静謐に連れていかれること(と子供の無垢さ)で、何とか心の平安を保ってたような気がします。
アジカンの「さぁ、イメージ、イメージ、イメージ」や、イノベーターのための歌だと思っている「スタンダード」にインスピレーションと勇気とテンションをもらっていました。
ジョンレノンの曲をマイケル・ジャクソンに歌わせてフレイミング・リップスがリミックスしたようなTame Impala「Yes, I'm changing」を聞きながら、自分も世界も変わるもんだ、Don't be blue、と言い聞かせていました。
EDMの喧騒を否定はせずとも、何となく気分がJamie xxの内に向かう四つ打ちとの対話寄りでした。
「君に何かしてあげたい」がパンチラインすぎる名曲「No Rain (No Rainbow)」を含むアナログフィッシュは、ここ4作続けて傑作で、何だかものすごいバンドになっているので、もっと多くの人に届いたらいいのになと思いました。

それにしてもスフィアン・スティーブンス。自分的にはぶっちぎりの1位で、10年に1枚のシンガーソングライターアルバムではないかと。
ラストの「Blue Bucket of Gold」は、Elliott Smithの「The Biggest Lie」や「Say Yes」と並ぶような、「人をどこかへ連れていく」希求の歌だと思います。
Elliott Smithのドキュメンタリー映画が静かに出た年でもありましたが、パーソナルで切実な願いはいくつになっても心を撃つのだなと聞く度に毎夜感じ入りました。

11月にはパリから新しい戦争が起こってしまって、その翌週にクアトロでライブを見たアナログフィッシュが素晴らしく、特にアンコールに完全に持っていかれました。
それで12月は、続く事件と、NHKの重厚な新・映像の世紀と、スター・ウォーズを見ながら、アナログフィッシュの「Hybrid」を何度も何度も何度も聞いていました。ある意味「Hybrid」が一番2015年的で、思い出深い気もします。
今日も世の中にはこれでもかというくらい矛盾がいっぱいで、それに向き合いながら前向きでいるための音楽を、時代がもっと求めていく2016年になるのではないかと思いました。

「今の時代が一番いいよ」と年の暮れに前野健太が歌っていて、それもまた何か響くものがありました。


Profile
jakagawa
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http://www.audioleaf.com/mazis/

BIO
元mazis。2015年からMirrativというサービスを営む。


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