慧「聴かせてましたね。当時、愛は12歳だったんで、そのころの愛ちゃんは音楽にあまり興味がなかったみたいですね、そのころは友達と遊ぶのが楽しい感じで。僕が、18、19歳位に今のバンド“セカイイチ"を始めて、そのころは曲を聴かせて“どう?"って感想をもらったりしてました」
その後、愛さんもギターを持って歌うようになったわけですよね。慧「そうですね。確か、愛が中学3年生くらいで、僕が音楽を始めた年と同じくらいと記憶してますね。それで愛が16歳のころかな? ライブをやるってことになって。そのころ、僕はもう東京にいたんですが、そのことを聞きつけまして、“これは観に行きたい"と思って、新幹線に飛び乗って、こっそりとチケットを買って観に行きましたね」
東京から駆け付けたんですね。そのときの愛さんはいかがでしたか?慧「最初のライブだし、そんな期待はしてなくて“がんばれ!"と思って観に行ったら、思いのほか良かったんですよね。そこの対バンに、僕が16歳や17歳の頃にライブハウスに出だした頃に対バンしてたすのうさんという方がいたんですよ(笑)。なんちゅう因果やと思いましたよ(笑)」
(笑)。愛さんが、初めてライブを観たのは“セカイイチ"のライブだということで。体験として、初めてのライブ、ライブハウスって、すごくドキドキするし、ずっと記憶に残ると思うんですけど、それがお兄さんっていうのは、また違うドキドキ感も重なって、不思議な体験だと思うんですよね。慧「そうでしょうね。僕らのいとこに、高鈴っていうソニーからデビューしていた女性ボーカリストがいるんですけど、僕が初めて観たライブもそのいとこの高鈴だったんですよ。だから、愛と同じ気持ちを味わいましたね。しかも、その場所がジャズライブハウスで、すごく大人っぽい場所で居場所に困った感じを覚えていますね」
音楽環境には恵まれた家系ですよね。慧「そうですね。そういう状況は、ラッキーだったなと思います」
慧「1stアルバムを作ったときかな、すごくいい作品なんだけど思うことがあって、バラードが多めだったので、ライブ映えする曲も作ってみたらと言ったんですよ。コソッと何の気なしに言ったんですよね。そしたら、こっぴどく愛に怒られまして(笑)。あれ!? 遅れてきた反抗期ってやつかなと(笑)。そこから、あんまり言わないようにしてますね」
愛さんが音楽活動を始めてしばらくは、慧さんの妹だということを隠していたと、おっしゃっていましたね。慧「そうなんですよ。愛に“言わんといてや"って言われて、“わかった"って。僕としては、応援したいんやけどなと思ってはいましたけど。なんか、どっからともなくバレて、“もういいや"ってなったんですよね」
きっと、慧さんのフィルターをかけて見られるのも嫌だったんだろうし、自分は自分で勝負したかったんでしょうね。慧「まあ、そうでしょうね。それがなかったら、しんどかったと思いますしね」
それぞれ別に活動されていたふたりが、お正月、お盆に帰省したときに開催していた“岩崎家お里帰りライブ"をきっかけは、共演するようになったんですよね。慧「“お里帰りライブ"以前にも、何度か一緒にやったりはしていて。一番最初に愛と一緒に歌ったステージは、大阪のイベントで“OTODAMA"ってあるじゃないですか? そこなんですよ。そこにセカイイチがトリで出させてもらったときがあって、そのときは野音やったんですけど、愛が観に来ていて。そのとき、愛がデビューも何もしてなかったときなんですけど、“ちょっと妹が観に来てるんでコーラスで上げてもいいかな?"って感じで、一緒にコーラスしてもらったとを覚えてますね。あれは楽しかったですね」
そうなんですか!? それは、お客さんもみんなビックリしたでしょうね。慧「みんなビックリしてましたね。愛が歌ってるって、みんな知らないころですからね」
“ただの妹にしては、上手すぎないか?"って、みんな思ったでしょうね(笑)。慧「面白かったですね(笑)」