久保 憲司 (ﾛｯｸ・ﾌｫﾄｸﾞﾗﾌｧｰ、ﾛｯｸ・ｼﾞｬｰﾅﾘｽﾄ)が選ぶ2012年 ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ
2.ﾁｬﾝﾈﾙ・ｵﾚﾝｼﾞ─ﾌﾗﾝｸ・ｵｰｼｬﾝ
3.ﾒｯﾂ─ﾒｯﾂ
4.ﾛｰﾅｲｽﾞﾑ─ﾃｰﾑ・ｲﾝﾊﾟﾗ
5.ｵｰﾌﾟﾝ・ﾕｱ・ﾊｰﾄ─ｻﾞ・ﾒﾝ
6.ｻｲｴﾝﾃｨﾌｨｯｸ・ｴｸｽﾍﾟﾘｴﾝｽ─Computer Magic
7.DELTA SWAMP ROCK VOLUME 2 MORE SOUNDS FROM THE SOUTH 1968 - 75: AT THE CROSSROADS OF ROCK, COUNTRY AND SOUL
8.Oui Oui Si Si Ja Ja Da Da─ﾏｯﾄﾞﾈｽ
9.ｼﾞｬｯｸ・ﾎﾜｲﾄ─ﾌﾞﾗﾝﾀﾞｰﾊﾞｽ
10.曽我部恵一BAND─曽我部恵一BAND
1.good kid,m.A.A.d city - Kendrick Lamar
このｱﾙﾊﾞﾑのよさは、地に足がついた感じがいい。ｱﾒﾘｶのﾋｯﾌﾟﾎｯﾌﾟもｲｷﾞﾘｽ的になったというか、もうそんなに人をﾊﾞﾝﾊﾞﾝ撃ち殺したりしない。一人死んじゃうけど。ｵｶﾝの車を「15分だけ貸して」と出て行った少年の一晩の物語。『さらば青春の光』的、ｺﾝﾌﾟﾄﾝ・ｱﾙﾊﾞﾑ。
2.ﾁｬﾝﾈﾙ・ｵﾚﾝｼﾞ - ﾌﾗﾝｸ・ｵｰｼｬﾝ
ﾋﾞﾖﾝｾのi-podにMGMTが入っていたりするのをびっくりする人がいるけど、昔から黒人はｵｰﾌﾟﾝ・ﾏｲﾝﾄﾞな人種である。いいものはちゃんと自分の音楽に取り入れようとする。そんな新しい世代のR&B。ﾌﾟﾘﾝｽ好き、今のｲﾝﾃﾞｨ・ﾐｭｰｼﾞｯｸが好きにもお薦め。
3.ﾒｯﾂ - ﾒｯﾂ
PIL・ﾐｰﾂ・ﾌﾘｸｼｮﾝ、それをﾀﾞｲﾅｿｰJRの狂気なｷﾞﾀｰでとばした感じ。3人組、こんなﾊﾞﾝﾄﾞやりたい。
4.ﾛｰﾅｲｽﾞﾑ - ﾃｰﾑ・ｲﾝﾊﾟﾗ
ｵｰｽﾄﾗﾘｱなﾒﾛﾃﾞｨｱｽなﾆｭｰ・ｻｲｹ・ﾊﾞﾝﾄﾞ。今のﾁﾙな感じなんですけど、ELO、ｳｨﾝｸﾞｽ、ﾏｰｸ・ﾎﾞﾗﾝな70年代な感じがとってもいい。ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞ・ﾁｯｸな所もいいです。
5.ｵｰﾌﾟﾝ・ﾕｱ・ﾊｰﾄ - ｻﾞ・ﾒﾝ
ださいﾀﾞｲﾅｿｰJR、ﾊｽｶｰ・ﾄﾞｩの感じがいいです。
6.ｻｲｴﾝﾃｨﾌｨｯｸ・ｴｸｽﾍﾟﾘｴﾝｽ - Computer Magic
女の子の打ち込み系だとｸﾞﾗｲﾑｽがいいなと思ってたんですが、今はこっちの方が好き。70年代のｱﾅﾛｸﾞなｴﾚｸﾄﾘｯｸな音がたまりません。こういう宅録もやってみたいなと思う今日この頃です。
7.DELTA SWAMP ROCK VOLUME 2 MORE SOUNDS FROM THE SOUTH 1968 - 75: AT THE CROSSROADS OF ROCK, COUNTRY AND SOUL
本当言うとｿｳﾙ・ｼﾞｬｽﾞから出るｺﾝﾋﾟを聞いているだけで毎年楽しいんですが。本当にいつも頭のいかれた音楽を見つけてくるなと思う。この辺のｺﾚｸﾀｰの人はｺﾞﾐ箱まであさっているからな。ｱﾒﾘｶのこの辺の音楽って、本当はｱﾌﾘｶの音楽よりﾔﾊﾞい、その謎を解き明かしたと思っている今日この頃です。
8.Oui Oui Si Si Ja Ja Da Da - ﾏｯﾄﾞﾈｽ
大人のﾛｯｸ、いいですよ。
9.ﾌﾞﾗﾝﾀﾞｰﾊﾞｽ - ｼﾞｬｯｸ・ﾎﾜｲﾄ
ﾚｰﾍﾞﾙの運営の仕方、録音の仕方、機材、自分のﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽの仕方など、すべて気になります。今一番好きな人かも。
10.曽我部恵一BAND - 曽我部恵一BAND
2011年、2012年の日本の気持ちを一番歌にしたｱﾙﾊﾞﾑだと思います。何とかしなあかんなという気持ちにさせられます。
Profile
久保 憲司 (ﾛｯｸ・ﾌｫﾄｸﾞﾗﾌｧｰ、ﾛｯｸ・ｼﾞｬｰﾅﾘｽﾄ)
1981年に単身渡英し、ﾌｫﾄｸﾞﾗﾌｧｰとしてのｷｬﾘｱをｽﾀｰﾄ。ﾛｯｷﾝｸﾞ・ｵﾝなど、国内外の音楽誌を中心にﾛｯｸ・ﾌｫﾄｸﾞﾗﾌｧｰ、ﾛｯ ｸ・ｼﾞｬｰﾅﾘｽﾄとして精力的に活動中。また、海外から有名DJを数多く招聘するなど、日本のｸﾗﾌﾞ・ﾐｭｰｼﾞｯｸ・ｼｰﾝの基礎を築くことにも貢献し た。著書『ﾀﾞﾝｽ・ﾄﾞﾗｯｸﾞ・ﾛｯｸﾝﾛｰﾙ 〜誰も知らなかった音楽史〜』、『ｻﾞ・ｽﾄｰﾝ・ﾛｰｾﾞｽﾞ ﾛｯｸを変えた1枚のｱﾙﾊﾞﾑ』
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