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今井貴彦(TOWER RECORDS KASHIIHAMA)が選ぶ2012年 ベストアルバム

1.珍文完聞-Chin Bung Kan Bung-─The SALOVERS

2.すとーりーず─ZAZEN BOYS

3.曽我部恵一BAND─曽我部恵一BAND

4.ECHOES─LOSTAGE

5.CHOICE II BY NONA REEVES─NONA REEVES

6.diorama─米津玄師

7.小さなリンジー─田中茉裕

8.UTOPIA─Wienners

9.D.O.H.C─TOJIN BATTLE ROYAL

10.MUSIC─清竜人


タワーレコード香椎浜店の今井と申します。

2012年の個人的な出来事を振り返ると、2月に3年半勤務した仙台パルコ店から、
福岡の香椎浜店に転勤になりました。
そんな環境の変化もあり、正直今年は全然チェックできてないなあと思いきや、
挙げてみるといくらでも心に残る作品が浮かびました。
その中から下記1〜5は、僕が敬愛するバンドたちの、最高傑作を更新したと思った作品です!
少なくとも僕は今までで一番好きな作品たち!
そして6〜10は、僕にとって新しい出会い…フレッシュな衝撃を与えてくれた作品たちです!

1.The SALOVERS「珍文完聞-Chin Bung Kan Bung-」
若手で最も夢中にさせてくれるバンド、The SALOVERS!絶対的なロックヴォーカリストであり、
世代を代表するソングライターである古館佑太郎の才能が完全に開花した最初の瞬間としても、
ロック好きなら今聴かずにどうする!まだまだ、まだまだ騒がれたりないですよ!
ライブではそれら素晴らしき楽曲に、この4人ならではのバンドマジックが生まれている瞬間が目撃できるわけです。 もう、いよいよ目が離せません!

2.ZAZEN BOYS「すとーりーず」
4年のブランクは長かった。それでもこの、どこにもない、ひたすら奇妙で予測不可能な、
何より痺れるほどかっこいいバンドアンサンブルを聴けば興奮が止まらないわけです!
相変わらず冴えまくりな独自の言葉のセンスにニヤリとしつつ、久々に向井さんのメロディアスな側面がここ数年では 最も強く感じられたことが嬉しかったです!

3.曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」
何というか、まだ「こういう作品です」というわかりやすい言葉で表現することができずにいます。
「まとまり」という意味では過去作の方があったのかも知れません。
それでもやけに何かが残るんです。その何かがわからないまま何度も何度も聴いてしまう。
凄く断片的で説明は少ないですが、その風景が目の前に浮かんで、時に胸を締めつけるリアリティのある歌詞、
誰もが一発で頭に残りそうなポップさなのに、決して底抜けに明るいものでもないメロディー。
静かに小さく、でもとてもとても熱く燃えているような炎のような…というと伝わりづらいと思いますが、
とにかく深い余韻が残る作品です。

4.LOSTAGE「ECHOES」
ラフでヒリヒリした攻撃的なのはそもそも最初からであって、でも3人体制になって以降の「LOSTAGE」「CONTEXT」と、 更にソリッドにどんどん濃くなってきたような印象があります。
そしてこの「ECHOES」は、前述したような要素はそのまま推し進められつつも、
明らかにメロディアスな要素が強い作品であると思います。そこが良いんです!聴きたかったんです!
白眉は“僕の忘れた言葉達”という曲で、素晴らしいメロディーメーカーであることが一発でわかる、
目の前が開けていくような感覚を味わえる名曲です!

5.NONA REEVES「"CHOICE II" BY NONA REEVES」
大好評だった洋楽カヴァーアルバムの第二弾。80's〜90'sの名曲を「ただ懐かしむ」のとは対極の、
2012年の音/グルーヴにアップデートされたアプローチが素晴らしい!本人達が本当に思い入れのある、
好きな曲だからこその拘りが隅々に感じられて、それがそれぞれの曲の「ここが最高!」というポイントを
5割増で浴びせてくれるような作品!純粋に音楽を聴く楽しさや感動を思い出させてくれます!

6.米津玄師「diorama」
本当に不勉強ながら、「ハチ」としての音楽活動を知らなかった僕にとって、最初に聴いたときは本当に衝撃的で、2012年最大の新たな才能との出会いだと思いました。
決してマニアックにはならず、キャッチーな要素満載で、
中でも不特定多数を巻き込むであろう、抜きん出たメロディーの良さや歌の強さは、
BUMP OF CHICKENやRAD WIMPSを彷彿とさせるスケール感。
次作が待ち遠しいアーティスト第一位です!

7.田中茉裕「小さなリンジー」
19歳の新人女性シンガーソングライター。彼女のホームページにも書かせてもらいましたが、
毎回聴くたびに泣きそうになります。
今にも壊れてしまいそうな繊細さと、凛とした強さ/美しさが背中合わせで共存しているようで、
涙腺を激しく刺激するんです。
矢野顕子級のモンスターの誕生なのでは?と思っています。いや、本気で。

8.Wienners「UTOPIA」
彼らの2010年に発売された「CULT POP JAPAN」は、快楽ポイントをギュッと凝縮したショートチューンが連打される作品で、その当時の店では大展開をしました。しかし、何故かその後の音源をしっかりチェックしておらず…本当に申し訳ございません!
という気持ちも込みでこの場でご紹介させていただきます!
このメジャーから一発目のフルアルバムとなった今作は、ど頭からカラフルかつ性急なサウンドで、
音楽的快感が何度も押し寄せてくるようで堪りません!
男女ツインヴォーカルによる激ポップな歌と、ビシビシ決めつつグルーヴィーに高まっていく演奏とが相まって
凄まじい多幸感!めちゃくちゃ中毒性の高し!
今ではこの作品は日本のポップミュージックの次の時代をこじ開けた感さえしています!

9.TOJIN BATTLE ROYAL「D.O.H.C」
福岡が誇る伝説的なHIPHOPグループの14年振りの新作!
正統派90年代HIPHOPのスタイルに、福岡人ならではのネタ満載のリリックが最高過ぎる!
毎日唐人町や大濠公園を通って通勤する自分としては堪りません!
でも福岡人でなくても唸るというか笑うパンチライン満載です(下ネタにひく女性は注意!)!

10.清竜人「MUSIC」
最初は衝撃的過ぎて「清君、どうしちゃった!?」と戸惑いを隠せませんでしたが、
一度過去や固定概念を取っ払って聴いてみると、どえらく痛快な作品なのではないかと。
アニメ、アイドル、同人音楽といった、日本のポップカルチャーを全面的に取り入れた、
まさに「2012年的」な作品であり、才能溢れる清竜人が振り切って表現してみせると
ここまでクオリティーの高い、素晴らしいものになるんだと感心しました!

他にも、2012年に大いに胸に響いた大好きな曲たちを挙げておきます。

ASIAN KUNG-FU GENERATION“バイシクルレース”
チャットモンチー“きらきらひかれ”
Mr.Children“End of the day”
七尾旅人“湘南が遠くなっていく”
星野源“知らない”
GREAT3“彼岸”
Chocolat & Akito“One”“扉”
RHYMESTER“The Choice Is Yours”
EVISBEATS Feat. 田我流“ゆれる”
Small Boys“Cosmic Action”
V6“kEEP oN.”
南波志帆“少女、ふたたび”“髪を切る8の理由。”
でんぱ組.inc“でんぱれーどJAPAN”

海外アーティストであれば、Hot Chip、Bright Moments、Vintage Trouble、Dirty Projectorsをよく聴きました。

年間ベスト企画って振り返りというだけでなく、新たな音楽との出会いとして最高に楽しいものだと思います。
ここで触れた作品たちを聴いたことがない方が、興味を持っていただけたら幸いです!


Profile
今井貴彦(TOWER RECORDS KASHIIHAMA)
山田
タワーレコード吉祥寺店→鈴鹿店→仙台パルコ店を経て、現在福岡の香椎浜店・店長。
アイコンはLOSTAGE五味さんに描いていただきました!
タマフルが毎週一番の楽しみ。
タワーレコード香椎浜店
〒813-0016 福岡県福岡市東区香椎浜3-12-1イオンモール香椎浜1F
092-673-6321
http://twitter.com/TOWER_Kashiiham
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