TALKING ABOUT THE X
関和亮
×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
2011年1月から新たな企画として、後藤正文が同世代のゲストを招いて話をしていく同世代対談をスタート。記念すべき1回目のゲストは、サカナクションのシングル『アルクアラウンド』のミュージック・ビデオで、第14回 文化庁メディア芸術祭 優秀賞を受賞した関和亮さん。後藤と同じ1976年生まれの関さんは、どのようにしてミュージック・ビデオ・ディレクターになったのか? 現在の仕事のスタイルは? 今後の関さんの夢は? 意外な共通点も飛び出したふたり、同世代トークに花を咲かせました。
(司会・文・構成/only in deams編集部 | 取材協力:kit gallery[
twitter
)
──同世代対談の第一回目のゲストとして、今回は関和亮さんをお招きしました。
関和亮
「僕で大丈夫ですかね?(笑)」
後藤正文
「もちろんです、よろしくお願いします」
──まずは、サカナクションのシングル『アルクアラウンド』のミュージック・ビデオで、文化庁メディア芸術祭 優秀賞受賞おめでとうございます!
関
「ありがとうございます」
後藤
「あれはいい作品ですね」
[
アルクアラウンド動画
]
関
「実は、サカナクションとの出会いのきっかけは『NANO-MUGEN FES.』なんですよ。小川さん(ASIAN KUNG-FU GENERATIONのマネージャー)経由で、『NANO-MUGEN FES.』で仕事をさせてもらっていて。ヤングパンクス!の映像などで関わらせてもらっていたんです。サカナクションのお名前は知っていたんですけど、ライブを観たのは『NANO-MUGEN FES.』が初めてで、こんなバンドがいるんだって思って、彼らの映像作品を作りたいってアプローチしたんです。そしたら、サカナクション側も映像ディレクターを探しているタイミングで、とんとん拍子で話が決まっていって。そういう意味では『NANO-MUGEN FES.』で引き合わせてもらったってことなんですよ」
後藤
「そうだったんですか。いろんな偶然がありますね」
関
「『アルクアラウンド』は曲自体がすごくヒットしたので、いいタイミングでビデオにも注目してもらえて。最初は、これで人に伝わるのかな?って心配だったんですけど、面白がってもらえて評価ももらえて本当によかったです」
後藤
「どういうコンセプトで作られたんですか?」
関
「山口君が歌詞を大事にしているので、歌詞を伝えたいっていう想いが強くあって、だったらわかりやすんで歌詞を出しましょうよって話になって。今の時代、YouTubeを使ったりして話題を作ることも彼らは考えているので、そういうことも含めて面白いことができないかなって」
後藤
「OK GO(シカゴの出身の4人組バンド。『ヒア・イット・ゴーズ・アゲイン』のPVで数台のウォーキングマシンを利用しコミカルに踊るメンバーの姿が話題となり、2007年度のグラミー賞を受賞。またYouTubeにてYouTubeビデオアウォーズ受賞作品となった)的な感じを考えていたのかなって思って」
[
OK GO『ヒア・イット・ゴーズ・アゲイン』動画
]
関
「世界的に流れがそうなっている感じはありますね」
後藤
「もうCGは面白くないみたいな動きはありますよね」
関
「そうなんですよ。どうしてもCGは、できるよね、それみたいなものはありますね。むしろ、それを排除していくっていうのは、面白いかなって思いますね」
後藤
「『アルクアラウンド』は、一発撮りなんですか? 何テイクくらい撮ったんですか?」
関
「そうです、一発です。テイクでいったら20回以上は回しています。リハーサルも入れたらもっとですね」
後藤
「いいですね。できあがったものが、ピントが上手く合うスピードとか偶然だろうし、同じものを2度と作れないっていうのも」
関
「ですね。正直なところ、何十回もやっていて、これは上手くいったなっていうのは2回くらいしかなかったんです。1回は、夜が明けていた朝方で。夜の設定だったんで、それは使えないだろうってなって」
後藤
「曲想的には、夜のほうが合いますよね」
関
「山口君もそこはこだわっていて」
後藤
「Perfumeの『ワンルーム・ディスコ』とどちらが作品的には先ですか?」
関
「『ワンルーム・ディスコ』の方が先ですね。あれは2年くらい前です」
後藤
「Perfumeの曲、映像はよく見たことがあるんですけど、何年に出たものかがわからなくて。いただいた作品集を観ながら、サカナクションの『アルクアラウンド』の方が、新しいものなんだろうなって見てたんですけど」
関
「Perfumeは音的にもCGを使うものが多いんですけど、最近は僕的にもそれもつまらないなって思ってはきていたので、最近は使わない方向です」
後藤
「関さんが作られたPerfumeの作品で一番面白いなって思ったのは『I still love U』で、普通に歌っていて途中で電流か何かが流れたのか、生々しい顔をPerfumeの3人がするのにはハッとしましたね」
関
「ただ白い所で3人が歌っているだけなんですけど、何かしないと面白くないなって思って。電流ではなくて、下では足ツボマッサージを罰ゲームみたいにやっているんですよ。女の子って、カメラの前だと絶対ちゃんとしようっていうのがあるんで、それを崩したいなって思って、それでやったんです。でも、そういう顔が崩れたりするのが、逆にかわいかったりするんで、そういうのもいいなって」
後藤
「Perfumeって、歌声もオートチューンで変えて加工して使っていたりするんで、人造的なイメージがあるじゃないですか。そういう偶像的な部分の中、少しカーテンをめくったような映像だったから、すごいハッとするっていうか」
関
「あれを好きって言ってくれる人は、なかなかいないんですけど(笑)」
後藤
「いや、すごいなって思って。ああいう顔はあんまり見ないですもんね。事務所的にもよくOKだったなって感じもあったけど(笑)」
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