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2010年ベストアルバム
古溪 一道(フォトグラファー)
1.Happiness─Hurts

2.Swim─Caribou

3.Contra─Vampire Weekend

4.The Lady Killer─Cee Lo Green

5.High Violet─The National

順不同です。最初の4枚に共通しているのは、何度もリピートして聴いた曲に引っ張られて、アルバム丸ごとをよく聴いたということ。Hurtsは 「Sunday」、Caribouは「Odessa」、VWは「Giving Up The Gun」、Cee Loは「Fuck You」…も最高だけど「Cry Baby」。The Nationalは、アルバムを通したムードが大好きで繰り返し繰り返し聴きました。ポップでロマンティックな雰囲気があるもの、それでいて陰影のあるも のが自分はやっぱり好きなんだなということを再確認した1年だったと思います。

この5枚に絞るのはかなり悩みました。他によく聴いていたものは、Foals(This Orient)、LCD Soundsystem(Drunk Girls)、七尾旅人(Rollin' Rollin')、Jonsi(Go Do)、石野卓球、Antony & The Johnsons (Thank You For Your Love)、Asian Kung-fu Generation(マジックディスク)、The Morning Benders、のあのわ(スクォンクの涙)、iLL、Deerhunter(Helicopter)、ねごと(ワンダーワールド)、bloodthirsty butchers、Kimonos(Yureru)、Devo…等々、たくさんありました(カッコ内はよく聴いていた曲名です)。聴き逃しているものの中にも自分が好きなものは恐らく沢山あると思います。英国の若手ギター・バンドにちょっと元気がなかったなと感じる年でもありました。

今年はCDが売れない等の暗い話が多かった音楽界でしたけど、自分自身はこれまでにないほどたくさんの音楽を聴いた1年でもありました。Twitterや Dommune等のUSTの影響ですね。自分が知りたい情報が次々と入ってきたり、数クリックするだけで気になるアーティストの音が聴ける。幸せな時代に なりました。 少々話はズレますが、TwitterやUSTのおかげで、好きなミュージシャンとの距離が縮まったり、知人とも以前より仲良くなったような気がしたこともみんなきっと多かったと思います。実際それはTwitterのいい側面だったし、上にも書いたように自分もその恩恵を受けたこともありました。 でもその一方で、それはまだ思い違い/幻想な部分もあって、実際にライブに足を運んだり、顔を突き合わせて話すことに勝るコミュニケーションではないとも 強く感じました。先行シングルをダウンロードしたりアルバム試聴をしただけではそのアーティスト/音楽を心底楽しむのは難しい…とも。

その延長線上として、音楽が好きな人たちにとって、手に取って触れてみて、そして見て感じることの出来るフィジカルなCDやレコードが、そこに入っている 音楽との距離をもっと縮めてくれて深みを与えてくれればいいなとも強く感じた年でした。自分自身が写真を撮るというCDやレコードのアートワークに関わる仕事をしているということもあって、その思いはこれまでになく強くなった1年でした。

蛇足になりますが、ベスト・ビデオはArcade Fireの「We Used To Wait」。ネット社会ならではの作品でありつつ、泣けるビデオでした。ベスト・ライブはPOLYSICS@日本武道館(3月14日)。撮影出来たことが嬉しかったです。

来年への期待/願いは、Death Cab For Cutieの新譜がここに入るような作品であること。そして、ここに入るような作品・アーティストのアートワークになにかしらの形で関わることや撮影が出来たりすること、です。ジャケ写買いさせてみたい。来年もいい音楽とたくさん出会える年でありますように。


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古溪 一道(フォトグラファー)
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主に音楽関係の写真を撮っているフォトグラファーをやっています。音楽と同じくらいフットボールも大好きです。
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