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2010年ベストアルバム
今井 貴彦(TOWER RECORDS SENDAI PARCO)
1.ファンファーレと熱狂─andymori

2.たまもの from ぬばたま─蔡忠浩

3.「CYPRESS GIRLS」
「DETECTIVE BOYS」
─Base Ball Bear

4.マニフェスト─ライムスター

5.LOSTAGE─LOSTAGE


■andymori「ファンファーレと熱狂」
始まりの"1984"で名盤の雰囲気プンプンですが、アップの曲もスローな曲も関係ないですね。天才。 意外と、普段CDショップやライブハウスなんかに足を運ばないような友人にもオススメできるかも。 それほど聴く耳を選ばない名曲、名演ばかりだと思います。

■蔡忠浩「たまもの from ぬばたま」
bonobosフロントマン・蔡さんのソロ1st。ソロならではのパーソナルな深い味わいだけでなく、歌、メロディ、演奏のどこからも「喜び」をそのまま音楽にしたような多幸感に、全身の毛穴が開いていくような感動がありました。 白眉は"遠来"という曲。ゆるやかに高揚していってからの、サビでの祝祭感といったら!

■Base Ball Bear「CYPRESS GIRLS」「DETECTIVE BOYS」
2009年に発売された彼らの3rdフルアルバム「(WHAT IS THE)LOVE&POP?」は、着実に自己を更新してきたバンドの、堂々たる傑作であったと思います。それも段違いの。 で、2010年に2枚同時リリースとなった「CYPRESS GIRLS」「DETECTIVE BOYS」は、これまでの「正常な進化/深化」とは明らかに感触が違いました。少なくとも外からは「新境地の連続」と感じましたし、それがどれも突き抜けていて実に痛快。 そんな「躊躇ない」曲達が「実験的」に終わらず、最終的には「Base Ball Bearらしさ」すら感じてしまう奇跡的な作品。 それぞれに独立していると思いつつも、どうしてもどちらか1枚を選べませんでした。 2枚でひとつとしてカウントさせて下さい!

■ライムスター「マニフェスト」
誰もが認める圧倒的なキャリアに裏打ちされたスキルと説得力、そして今改めてアクセルを全力で踏んだような圧倒的な勢い。 全編、ロックが好きな自分にとっても夢中にさせる「HIP HOPの持つ強いメッセージ性=かっこよさ」と「言葉選びのセンス=面白さ」で埋め尽くされています。 "ONCE AGAIN" "ラストヴァース"の壮大なトラックと熱く感動的なメッセージも最高ですが、聴く者をグイグイ引き込む見事なストーリーテリングとライミングの快楽に満ちた"渋谷漂流記"がひたすら素晴らしいです!

■LOSTAGE「LOSTAGE」
自分の勤務する店舗で五味さんの似顔絵展とインストアライブが開催できたことは、2010年最もエキサイティングな出来事でした。 全てはレーベルからこのアルバムの音を聴かせてもらって、その興奮をメールしたところから始まったわけで。改めて聴き返しても、その時の興奮は薄れずに迫ってきます。 「音の塊」をガンガン振り回して迫ってくるような乱暴さと、シャープで鋭利なギターサウンドに「かっこいいっ!!!!」と心底震えしつつも、メロディアスな"BARON" "TOBACCO" "夜に月"といった曲達にどこかなつっこさを感じるところが愛聴する所以なのです。

5枚選ぶのがあまりにも難しかったのと、少しでも多くの作品を紹介したい想いから、only in dreamsのレコメンドコーナーに書かせていただいた作品は省きました(The SALOVERS、ザ・ビートモーターズ、星野源、Kimonos、EG…素晴らしい出会いばかりでした)。その他、湯川潮音、Wienners、サニーデイ・サービス、YUKI、Salyu、毛皮のマリーズ、PERIDOTS、エレファントカシマシ、七尾旅人、UNCHAIN、THE BAWDIES、東京事変…どれもベスト級な作品で豊作でした!

今年ほど充実した年もないですね。そしてベストトラックは、曽我部恵一 "サマーシンフォニー"です。

この場で発表するベストアルバムからは、ASIAN KUNG-FU GENERATION「マジックディスク」は最初から選考外としました。ここをご覧になる大半の方が既に聴き込んでらっしゃると思いましたし。それでも書き記しておきたいのは、それぞれ別の強烈な個性を放つシングルの魅力だけでなく、WEBサイト「マジックディスク」の開設により、これまで味わったことのないアルバムへのワクワク感がありました。良いものを拡げる、共有する発想とその方法(本当に多くの音楽ファンを巻き込みましたよね)は、2010年ならではのトピックと言えると思います。

最後に。年々、音楽との出会い方は多様になり、新たな可能性がいくつも生まれてきています。一人でひたすら探求するのも良いですが、僕は「自分の信頼する人からのオススメ」の方が好きなんです。そこに魅力を感じるのは「コミュニケーション」があるからなのか。そんなことを考えながら、2011年も一人でも多くの方に素晴らしい音楽との出会いを提供できるよう、自分も出会っていきたいです。


Profile
今井 貴彦(TOWER RECORDS SENDAI PARCO)
写真
タワーレコード吉祥寺店→鈴鹿店を経て、現在仙台パルコ店チーフ。
アイコンはLOSTAGE五味さんに描いていただきました!タマフルが毎週一番の楽しみ。

タワーレコード仙台パルコ店
〒980-8484 宮城県仙台市青葉区中央1-2-3仙台パルコ 8F
TEL : 022-264-9462
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