後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
1.
Swanlights
─Antony & The Johnsons
2.
Gorilla Manor
─Local Natives
3.
Go
─Jónsi
4.
Forgiveness Rock Record
─Broken Social Scene
5.
Lucky Shiner
─GOLD PANDA
6.
The Age Of Adz
─Sufjan Stevens
7.
Teen Dream
─Beach House
8.
Darwin Deez
─Darwin Deez
9.
DOUBLE DOZEN
─Cubismo Grafico Five
10.
Stuck On Nothing
─Free Energy
今年はTwitterの効果もあって、いろいろな音楽にアクセスしやすくなったと感じた1年でした。ミュージシャンや音楽ライター、海外の音楽サイトをフォローしているだけで、本当に沢山の音楽に出会うことが出来ます。ネガティブな発言ばかりしている音楽業界の人間も相変わらず存在しますが、リスナーとしては「良い時代になったものだな」と思います。知ることが出来る喜び。昔は、来日公演の情報ひとつ取っても、知ること自体が大変でしたもの。
そんな中、改めて自分はポップな音楽が好きなのだなと思いました。ポップなモノの中でも、作っているひとたちの何かが匂い立つような、人間味を感じる音楽が好きなのです。例えば、打ち込みが主体であるGOLDPANDAの音楽からも、体温のような温かみを感じるから不思議です。音色の選び方とかに人間味が宿るのでしょうね。PCの中で自己完結するインストルメンタルにこういう感触を得ることがあまりなかったので、気に入りました。2〜4には共通した質感があると思います。複数の人間のエネルギーが重なり合うときに膨らむハーモニーというか、それは音楽的な意味だけではなくて、個々人のエネルギーが和音のように積み重なって響いてくるのを感じます。だから、ペーソス(哀愁)があっても外向きのヴァイブズですよね。新しい10年の幕開けにはとても心地良いレコードたちでした。アントニーに関しては、今年聴いたものの中では圧倒的な美しさと慈愛を感じました。このフィーリングで世界を埋め尽くしたいなと思いました。本当に素晴らしい作品です。
今年は、何かゼロ年代の鬱憤を晴らすかのような、躁状態に近い1年だったので、総じてポジティブでポップな作品が多かったように思います。また、ウィーザーやマニックスやTFC、スーパーチャンクといったベテランが、らしい1枚をそれぞれリリースしてくれたことも、とても嬉しかったです。
Profile
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバー。 最近、アイスコーヒーをガブ飲みすると屁が臭くなることを発見しました。
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