logo

INTERVIEW
NADA SURF × 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION) - 後半 -
──ところで、ナダ・サーフもASIAN KUNG-FU GENERATIONもCDとは別にヴァイナル(アナログ盤)を出していますよね。これにはどういうこだわりがあるのですか?

imge_008
マシュー・カーズ「理由はいっぱいあるよ。音がまず素晴らしい。CDももちろん音はいいよね。MP3もこれからは分からないけれど、今はまだそんなに良くないからね。それから、適度に不便なのもいいな。早送りができないっていうのは結構僕にはいいことなんだ。PCの前に座って音楽を聴いていると、e-mailをしたり、インターネットをしながら、次に進めたくなって、ずっと早送りばかりを続けるんだ。はい、次、はい、次って。でも、レコードだと、早送りができなくて、最後まで聴かなきゃって思うんだ。座らないといけないし、気持ちを落ち着かせて、体験しようと思える。子供のころは、最初から最後までずっと本気で聴いていたんだよね。あれは素晴らしい体験だった。もちろん、アートもずっと良く見えるし。素敵なんだよ。それに、ニューヨークではヴァイナルのセールスは上がってきてるんだ。僕の好きなレコード・ストアーには、ヴァイナルがいっぱい置いてあって、上手に展示されてるよ。店頭での展示(キュレート)も重要。興味を持ってる、探している人がヴァイナルに出会える機会を作る。それに、今は、ヴァイナルを出してこそ、本当のリリースだよ」

後藤正文「僕たちの世代はたぶん、10歳くらいの頃に、プレイヤーが全部CDにぱって変わって…っていう世代なんで、だからどっちかっていうと、ほとんど音源はCDの方だったんだ。でも、じゃあ、なんでレコードが生き延びたかっていうと、それまでのレコード・コレクター達がいなくならなかったのと、僕らの世代は、こういうでかいジャケットで持ってるのが、ちょっとお洒落なんじゃないかっていう感じで、ファッションと結びついているところもちょっとあって」

マシュー「アートワーク、大きく見られるのっていいよね」

imge_007
後藤「そうそう。でも、一方で音のこともちゃんと見直されている。今は、どのツールが音がいいのか?みたいな話になっていて、でも、明確に何がいいかっていうのをビシッと決めることは難しくて。音に関していうと、ダウンロードでも、今、ビット数が上がったやつ、24ビットの48ヘルツっていうのがあって、それなんかは音がいいから。まあ、でも、やっぱりね、アートワークが大きいっていうのがいいし、そういう意味でやっぱり愛着が全然違うと思うんだよね。だいたいどこで買ったか覚えてるし(笑)。自分の音楽への想いと結びつく。それは、まあ、CDも一緒だと思うんだけど、でもレコードはやっぱり面倒くさいのがいい。針を落として、裏返して、そういうので、音楽を聴いてるときも、レコードのほうが、集中して聴いちゃう。だってほっとけないから。針が落ちちゃうから。そういうところが僕はすごい気に入ってて」

マシュー「音楽を気にかけているっていうのを見せなきゃね」

NEXT / BACK


INTERVIEW TOP
MAGAZINE TOP
[MENU]
NEWS
DISC
ARTIST
MAGAZINE
MAILING LIST
CONTACT
HOME

Copyright(C) Spectrum Management Co.,Ltd. All rights reserved.