nerisuke─2013.4.21─
今月のWOWOWはニコラス・ウィンディング・レフン特集に大興奮だったわけですが、それに続く特集がまたヤバくてなんとロジャー・コーマン特集!
何度も観た「ワイルド・エンジェル」や「ロックンロール・ハイスクール」などから初めて観るレア映画まで、日々追われる仕事を忘却の彼方に追いやるように深夜のB級映画天国に浸りました。
低予算で、とにかく弾数撃って、たまに何かの間違いで奇跡の名作を産んでしまう「B級映画の帝王」。
”何かの間違い”って書きましたが、それはひたすら作り続ける事で作品と時代がリンクするチャンスが巡ってくる回数が多かったということなんだと思います。
ライムスター宇多丸をして「プロだ!」と言わしめた、7年のキャリアを持つ叩き上げ中の叩き上げアイドル hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)と最先端 (というか、端すぎて若干世間に届いてない)のダンスミュージック “ファンコット” との邂逅はめぐりゆく時代の必然だったのかもしれない。
“ファンキー・コタ(通称ファンコット)” はインドネシア発のBPM190くらいの高速ダンスミュージックで、ドッタンバッタンいうビートとスッコンスッコンいうパーカションに適当に流行ってる音楽をブチ込みつつ無駄に合いの手を入れまくる、とにかく “アガる” という点だけに特化したものすごくアジアンな代物。
なんとなく韓国で昔流行ったポンチャックとテイストが似てると思いますが、おそらく湿度の違いからくるであろう “濃さ” 、“馴れ馴れしさ” 、そして尋常じゃない“本物じゃない感” のレベルが違います。この “パチもん感” を勢いだけで “アガる” まで持っていくパワーが、このジャンルにはあります。
トラックメイカーの高野政所a.k.a.DJ JET BARON は、このファンコットを比喩するのにこのPVの2:16あたりに出てくる
某有名キャラのパチもんのおもちゃを引き合いに出していて、ものすごく解りやすかった。狂気を感じる訳の解らなさである。
高野政所は9nineの “イーアル!キョンシー” も手がけていて、このジャンルの屋台骨、というかもう城と言っても過言ではない。
高野政所は言わずもがなのタマフルクルーで、hy4_4hyはタマフルの公式コラボソングも出してたりするわけで、なんか色々繋がっての今現在という感じだ。
このライブの最後の曲。
つーか、ライブのSEが “アイアンマン” → “Uのテーマ” って、どれだけ信用できるんだって話だよ。笑
業界の誰もが認めるパフォーマンスを持つアイドル。世界一アガるダンスミュージック。電気グルーヴで言うところの、「東京の若者のすべてがここに集まっています」という感じだ。
プライマル・スクリームは
“Loaded” で「ワイルド・エンジェル」のセリフをサンプリングした。葬儀での牧師とピーター・フォンダ
の会話。
「君たちは一体何を求めているんだね?」
「自由に生きたい 思う存分 気の向くままに
酒を飲んで パーティーを開いて 楽しむんだ」
その会話の後、実際クソみたいなパーティーが開かれるわけだけど、良い悪いは別としてひたすらに “今” を感じさせる瞬間だ。
電気とかプライマルとか90年代に10代を過ごした者の戯言だと思うかもしれないけど。とにかく、今これで踊らなきゃ損なんですよ。
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