古田琴美(TOWER RECORDS SHIBUYA)─2015.6.14─
ASIAN KUNG-FU GENERATION 2年8ヶ月振りのアルバム『Wonder Future』が発売されました。
まず最初に。
私はアジカンの音楽をもうかれこれ13年程聴き続けているのに、こんなにも心を持っていかれ、もう何回聴いたか記憶にないくらいリピートし続け、涙をこぼしながら、アジカンの音楽と出会った2002年をまるで昨日の事の様に思い出して、原点回帰した彼等の音、そして原点回帰だけではなく、更に進化した『Wonder Future』を、とても愛おしく思います。
Gotchのソロ活動を経て、アジカンでのアルバム先行シングルだった「Easter」で、ロック・バンドとしての復活を遂げた彼等は、もう怖いものなんてないさ、と言わんばかりの”初期アジカン”を彷彿とさせる、バッキバキのギター、攻めのドラム、世界と自分に向けてシャウトまでも歌っている。これはもう、今の時代に不可欠のサウンドだと思うし、シーンのど真ん中で、これほどまで堂々とした”ロック”を鳴らす彼等に、心から拍手を贈りたいと思います。
そして2曲目「Little Lennon」でのゾクゾクとするリズムに攻め立てるメロディ。これは今までになかったアジカンのサウンドだと思うし、めちゃくちゃカッコ良い。
アルバム内で、特にキーとなっているのが7曲目の「スタンダード」。
丁度アルバムの折り返し地点で、この曲がこの位置にある事で、一気に雰囲気が変わる。
そしてサウンドがとても良い。さすがフーファイターズのレコーディングスタジオでレコーディングされた曲だなぁと。しかもこの曲はズバ抜けて良い。
冒頭で、アジカンは「Easter」で復活を遂げた、と書きましたが、実は「スタンダード」で彼等はバンドとしてのサウンドを確立していて、ここからRe:startしていたのだと思います。そう思える程、この曲は本当に素晴らしいと思う。
そしてラストの「Opera Glasses」。
クレジットを見ると、作詞は後藤、作曲は4人全員の名前が書かれています。この曲を聴くと泣きそうになるし、これからもこの4人でやっていく、という決意を感じます。哀しみも、切なさも、強さも兼ね備えたこの曲に、彼等の未来を託します。
『Wonder Future』を振り返って、バンドが一周して、4人だけでアルバムをつくること、周りのスタッフの協力もあって、ここまできたことを考えると、やっぱりこのアルバムは私にとって特別なものになりました。
私にとって、大好きな音楽を仕事にするという事は、決して楽しいことだらけではないけれど、アジカンを聴くと、純粋に音楽と向き合えて、彼等の生み出す音楽が本当に好きなんだなぁと再確認出来ます。そして彼等の音楽を聴かなくなる事は、一生ないなと思えました。
私は、アジカンの音楽を愛し、これからも応援します。
当店、タワレコ渋谷店では、発売週に過去最大に展開していました。
地元、大阪での仕事を含め、CDを販売する仕事をして13年。
例え音楽の仕事から離れても、私は、アジカンが生み出す楽曲を楽しみに、これからも生きて行こうと思います。
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