yabori(BELONG)─2013.2. 9─
おとぎ話の『The World』というアルバムを聴くと、子供の頃好きだったビックリマンチョコを思い出した。このアルバムには、何ともいえない懐かしさがある。だからだろうか、そんなお菓子を思い出したのは(笑)。
今作はガレージロックや、サーフロックなどを消化したサウンドに妙に昭和っぽい歌詞が載っかっているという、昔のグループサウンズっぽい作品だ。歌詞では「秘密の数だけお菓子をあげるよ」だとか、「流れ星が一瞬で消えるような 恋がしたいのさ」等、聴き手が恥ずかしくなるほどダサい歌詞を真顔で投げてくる。
だがこのアルバムはそこが良いのだと声を大にして言いたい。ダサかろうが言葉は伝わらなきゃ意味がないし、自分の言葉で表現する事の大切さを歌いたかったんだろう。ダサさも振り切れたら、一周回ってかっこよくなると思うのだ(多分)。
そしてその振り切れたダサさ、いやかっこよさはタイトルの『The World』にも反映されている。彼らは世界を大きな愛で包み込むという意味を込めて、このタイトルを付けたのではないだろうか。作品中でおとぎ話は本気で世界を愛する事を語っている。お世辞にもカッコいいとは言えないが、クサイ言葉で愛を語るのはなかなかできる事ではない。そういうことを平然とやってのける彼らは最高にダサかっこいいのだ。
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