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後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2010.10.26─

Death Cab For Cutieでおなじみのbarsukから2008年にリリースされた傑作デビューアルバム「Rhumb Line」は、日本では実に2年もの間放置されてしまった。洋楽のマーケット自体が縮小しているとはいえ、これほどのクオリティのアルバムがリリースされもせず放置されてしまうのは、はっきり言ってレーベルの怠慢だと僕は思う。

それでもじわじわと熱心な洋楽リスナーの間で話題になり、1stアルバム(日本盤)のリリース、イベント出演にて来日が実現。こうして2ndアルバムの発売が決定したことは本当に喜ばしいし、単純にひとりのRA RA RIOTファンとして嬉しい限り。

京都の居酒屋で彼らに新しいアルバムについて尋ねると、「今回は自分たちでプロデュースをして、本当に隅々まで自分たちのやりたいように出来た」のだと、彼らは答えてくれた。1stアルバムという、新人バンドにとってはある意味で狂騒の時代を通り抜けて、現在の充実した音楽活動を物語るような、生き生きとした表情だったことが印象に残っている。

1stの弾けるようなポップさに、何層もの温かいフィーリングが折り重なったような今作。奥底に哀愁を含んだメロディは、遠く何処かに忘れて来たような気持ちをそっと撫でて、少しだけ僕を切ない気分にさせる。

本国ビルボードでもTOP50にチャートイン。この豊かな音像のまま、アメリカだけに留まらず世界中に届いて欲しい。そして、多くの日本のリスナーたちにも聴いて欲しい。そういうアルバム。

下記アドレスでアルバムのトレーラー(とても美しい映像!)も視聴できるので、是非。

http://www.rarariot.com/toodramatic.html

http://www.rarariot.com/keepQuiet.html

そのうち実現するであろう初めての単独来日公演が楽しみで仕方がない。ちなみに、彼らが結成時に掲げた3つの夢のうちのひとつが「日本に行って演奏すること」だったとのこと。そういうエピソードも良いなと思う。

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