nerisuke─2013.3.29─
漫画『BABBEL』、『スピリットサークル』、『カラメルキッチュ遊撃隊』、『三文未来の家庭訪問』などなど。今年出たSF漫画の名作たち。
「皮膚感としては理解できても、簡単には言葉にはさせてくれない。」とは、『BABBEL』の巻末で神山健治がよせた言葉だけど、これらの漫画に惹きつけられる理由としてこれほど的確なものはないと思う。
現在 “キング・オブ・ポップ” の称号に最も近い存在(クイーン・オブ・ポップとしてのビヨンセ、リアーナは除くとして)であるジャスティン・ティンバーレイク。彼が先日、7年ぶりにドロップしたロマンティックすぎる1枚を表するにもこの言葉がフィットするように思う。
前作が「デンジャラス」期だとしたら、「オフ・ザ・ウォール」期に遡ったと言えるのかな? そんなアホみたいな一言で片付けられるわけないのだけども、「ホワッツ・ゴーイン・オン」とか「暴動」とかいうフレーズがポンポン頭に浮かぶほどの傑作であることだけは間違いない。
ブルーノ・マーズや、
ジャネル・モネイ
らがここ数年やってきた事への、最強の後出しジャンケンとしての1枚なんだろう。しかし、それだけならまだ事象として片付けやすいんだけど、今作は収録曲が”Mirrors
”を筆頭に
7、8分もあるトラックがズラッと並ぶアーティストエゴに溢れた作品でもあるということがまた、言語化をうまくはぐらかしてくれちゃうのだ。
アルバム全体のテイストとしては意外とDarkstarの新作に近いようにも思う。
ボーナストラックを含めて79分もあるのだ。2000年代にストロークス、リバティーンズといったガレージ勢が作り上げた30〜40分代というポップスアルバムの雛形からはみ出しまくった怪作とも言える。
もっとも、怪作と言っても何も構える事はない。黙って身を委ねればいい。
元ネタというか、音楽的な歴史とかを知らなくても、“今” この音を聴くだけで皮膚感として理解できる(したような錯覚に陥る)現在進行形のポップス提供者であればこその “キング” なのだ。
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