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後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2015.5.25─


いやいや、本当に素晴らしい。ある意味では保守的なアメリカ音楽だと思うんですけれども、サウンドのプロダクションも含めて、フィーリングが真新しい。



このアルバムはナッシュビルという、カントリーとブルースの聖地で録音されたわけですけれども、そうなると当然、旧来の技術を使って懐古的な作品になるのかなと予想してしまうんですけれども、そういうこっちのバイアスに反して、オブスキュアなノイズとか、電子音とか、トリガーだとか、現代的なサウンドへの目配せがちゃんとある。というか、このあたりは想像ですけれども、土地に張り付いた良い録音のための技術とテクノロジーががっちり噛み合って、素晴らしい音像になっている、と。



で、黒人と白人の混成バンドがTVで「Don't wanna fight  no more」歌って、アルバムが1位になるわけですよ。おそらく、グラミーにもノミネートされるでしょう。これについては、本当に羨ましいなぁと思うわけです、文化についてもリスナーについても権威についても、全方位的に。

プロデューサーはブレイク・ミルズ。この人がどの程度、サウンドプロダクションに関わっているのかということが興味ありますね(彼はSSWでもあります。『Break Mirrors』ってアルバムはヤバいです)。



そして、エンジニアはShawn Everett。この人はWeezerの『ピンカートン』や最近のアルバム、ストロークスのジュリアンのソロ、それからニコラス・ケルコヴィッチの『On Sunset』でも録音とミックスを担当していますね。このあたりも、サウンドプロダクションを考えると「なるほどなぁ」と思ってしまいます。勝手に納得しないで言語化しろよって感じですけれども、これはミュージシャンの独り言として流してください。笑。ただ、Alabama Shakesの『Sound&Color』から遡っていくと、ほう!ってなるんですよ。あはは。

ともあれ、今年の一枚というべきアルバムが上半期に出てしまった!という感じです。いろいろな場所でこのアルバムの話になります。

伝統的なこと、最新のこと、そのバランスについて考えさせられる作品ですね。どんな文化とつながり、どんな方法で表すのか。で、そういう表現に対する思考を喚起しつつも、イエー!!!!って興奮してしまう音像と楽曲でもあります。知的だし、同時に開放的でもあると。

たまらないですね。オススメです。

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