nerisuke─2013.9.22─
オカダ・カズチカをご存知だろうか。
マツモトキヨシとかミハラヤスヒロとかじゃなく、オカダ・カズチカ。
まぁ、新日本プロレス所属のレスラーなわけなんですけども。所謂プロレスを日常的に見なくなって久しい上に、1年くらい前までは大会の1週間前くらいにはソワソワして落ち着かなくなっていたUFCまでも録画を忘れたりする体たらくな自分でも、「おや?」っと思わせる男である。
何がそう思わせるかって、この男が放つドロップキックなのだ。
ドロップキックとはジャンプして、両足で相手を蹴る、という最も基本的かつポピュラーな技だ。試しに、近所の公文式に行って「ドロップキック習いたいんですけど」と聞いてみるといい。きっと公文のおばちゃんは「アニマル浜口の道場に行きなさい」と教えてくれるだろう(実際教えてくれるかどうかは知らないが)。それくらいポピュラーな技だ。
親切な人がいるもんで、
動画とかがあるのでよかったら観てみるといいかなと。
タイミング、打点、フォーム、ほぼ完璧である。ありふれた、新人が最初に習うものの一つであるはずの技が、ここまでの完成度を持つとどうなるかというと、興味のない人の心を打ち抜くのだ。もうちょっと付け足すと、興味はないけど面白いものに飢えている人の心、つまりは時代を打ち抜くのだ。
このレスラーはデビュー当時、死ぬほど地味で、それはレスラーとして致命的とも言える状態だった。ところが、海外修行を経て凱旋したら夏休み明けの高校生のごとく「レインメーカー」(各自調査)になっていた。
当然、新日のファンからしてみても、「は????」という状態であったであろうが、そこにきてのこのドロップキックだったのだ。”レインメーカー” が完璧な”ドロップキック” で相手を打ち抜いた瞬間、この男のスターとしての時計の針と、ファンの心拍数が同時に振れ始めた。
今、年自分がDisclosureを聴き続けてしまうのはそんなドロップキックと同じ匂いがするからだ。
決して新しい事をやっているわけではない。というか、懐かしさまで感じる。90年代ハウス・ガラージのあまりにもピュアな再発見と言ったところだろうか。
でも、間違いなく自分の心は打ち抜かれている。ハウスミュージックという人間の快楽に直結したシンプルなジャンルで、しかも完成度が高い上に、もうとにかくガチでこのジャンルへの陶酔感&信頼感が伝わってくる。アルバム聴き始めると、たまらずヴォリュームを上げてしまうのだ。
ジャンルに対する200%の信頼と陶酔。それが感じられる表現はかっこいいに決まってる。映画「パシフィック・リム」がなぜあんなにもアドレナリンを出させるのかを考えてみれば解ると思う。
そんな音楽は200%楽しんだもん勝ち。その楽しんでる姿は、きっと周りの嫉妬を買うほど魅力的なはずだし、何かの始まりはそんな場所からしか産まれないんだと思う。
とにかく爆音で。
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