nerisuke─2012.7.18─
自分が考える「時代が求める音」、「時代を作る音」というのは、簡単に言うと「ポップなノイズ」だ。
違和感、孤独感、焦燥感、
嫉妬、怒り、そんなものが表現として形になったものがノイズ。そのノイズを他人と共有する "アウトプット” の時にポップに変換できるという事は、自己批評性があるということだ。
産業廃棄物の山の中から這い上がるためにはこれが必要となる。アウトプットの形がロックンロールであろうとダンスであろうとアイドルソングであろうとそれは変わりない。
でんぱ組.inc
はそれの所有者だと思う。
アイドルバブルの臨界点はここだと思えてならないのだ。
軽いアイドル好きを寄せ付けもしないファッション。耳を逆撫でるアニメ声。猛威をふるう前山田健一作品。な、はずなのに怖いくらいのブレイクスルー感があるのは自己批評性の塊だからに他ならない。
な、はずなのに。
はずなのに、ここにきてこの meg rock (中川翔子の作詞など) によるビビるくらいストレートなナンバー。
頭の中「???」ってなったところ、かーらーのー、2曲目のこれ、ドーーーン!
作ビースティー・ボーイズのMCAことアダム・ヤウクが亡くなられてから、たくさんの追悼のカバー曲を聴いてきた。その中でもダントツだと思う。尋常じゃないカッコよさである。
自己批評性のある、めんどくさいアーティストがカバーを歌う時というのはポップセンスがズル剥けになる。Nirvanaの
D-7、
Plateau しかり。Rage Against The Machine
の
Kick Out The Jams 、
Renegades of Funk しかり。Johnny Cashの
Hurtとかもそれに入るのかな。
そんななかでも鉄板のカバーマイスターと言えるのはManic Street Preachers
だと思う。
M*A*S*H、
Last Christmas から
Umbrella まで。このバンドはめんどくささの塊のようなバンドであるのだけど、カバーを歌ってもそのめんどくささを失わないままクソポップな仕上がりになる。
マニックスは「Lipstick Tracks」っていうレア&カバートラック集を出してるので気になった人はぜひ聴いてみてください。ジャケもヒョウ柄でインテリアレベルです。
なぜかマニックスの話になってしまったけど、とにかく でんぱ組.inc
のカバーセンスが本物だというのは間違いない。このグループを世間に知らしめたのがこのカバーだというのもかなり納得いく。
会社の20歳の同僚がこの歌どころか小沢健二すら知らなかったのはかなりショックだった。笑。
それでも自分はこの同僚にこの曲を堂々と薦める自信がある。
この時代を象徴するアーティストだと。
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