Youtube上にアップロードされた自主制作PVが話題を呼んだ、7人組アーティスト集団・禁断の多数決。
近所の子どもたちを招いてペインティングされた手作りEP盤「禁断の予告編」が話題を呼び、今回ついに1stフル・アルバム「はじめにアイがあった」がリリースされました。なんと全20曲の大ボリューム!今年のベスト・ディスクの候補に挙げさせていただきたいほど、オススメのアルバムです!
このバンドは00年代からの流れを持ちながらも、現代の音楽としての要素もしっかりと持ったバンドです。
リード・トラックといえる「透明感」は、SUPERCARの「YUMEGIWA LAST BOY」や神聖かまってちゃん「死にたい季節」など"どこかで聴いたかも?"と思わせるのに、新しい気持ちで聴いていられる曲。甘酸っぱい夏のひと時を想い起こさせる女性ボーカル、キラキラとしたシンセの音色が胸に響いて、クセになってしまうこと間違いなし。この「透明感」、私にとってはこの夏のテーマソングかというくらいのヘビーローテーション・ソングでした。
そして彼らを知る上で欠かせないキーワードは、前回私がご紹介させていただいたバンド、animal collective。「World's End」や「Malibu Domino」などの楽曲は、彼らをはじめとするブルックリンの音楽シーンに大きな影響を受けた、サイケデリックかつポップな音作りとなっているので、要注目です!
「禁断の予告編」リリース時はまだアーティスト写真は公開されておらず、メンバーの顔はもちろんその構成すらも分からなかったバンドですが、「はじめにアイがあった」リリースでその正体が続々と明らかになってきました。男性ボーカル+4人の女性ボーカルという斬新な編成であったり、高校生のメンバーがいるなど。最近ではインタビューや音楽専門チャンネルへの出演などを果たし、一見覆面バンドだった彼らがオープンなバンドへと変化していく過程は、他のバンドでは見られない唯一無二の面白さがあります。同時に、禁断の多数決という新たな"メディア媒体"の誕生でもあるのではないでしょうか。
パズルのピースを当てはめていくように、次々の明らかになっていく禁断の多数決という存在。その曲も、これからの動きにも期待が高まる、今最も目が離せないバンドです!