後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2012.7. 4─
僕がプロデュースしたチャットモンチーの『きらきらひかれ』を皆さんに聴いてもらうべく、こうして朝からキーボードをパチパチと叩いているのだけれど、彼女たちの魅力を言葉にして語るのはとても難しい。もう、はっきりくっきりビシっと彼女たちの魅力について書き表された言葉を、僕は読んだことがない。どこかにあったら教えて欲しいです。(何故にお前はレコメンド記事を書いてるのだという話だけど。笑)
2人組になって、現在彼女たちが作っているのは2枚目のデビューアルバムなのだろうということを、『満月に吠えろ』の生々しいカンウント4つから始まる咆哮から、この『きらきらひかれ』に込められた喪失と希望のフィーリングから、ひしひしと感じます。
僕が東京のスタジオで彼女たちとアナログテープに吹き込んだのは、音楽そのものだけではくて、彼女たちの決意であり、悲しみであり、喜びであり、一切のフィーリングであり、つまり、現在の東京で、彼女たちが音楽を鳴らすということそのものです。ゼロ/サムでデータを残すための行為ではなくて、この一瞬を、色濃く焼き付けるために。
余談だけど、数年前に毎晩トライしていた即興詩の一編にチャットモンチーのことを書いたことがあります。そこに「キラキラ」という言葉を使ったことが今となっては感慨深いです。夜中に、自分がやっている以外のバンドについて書き留めるという、対象と内容次第によってはかなり気味の悪いことをしたわけですが、そういう歪んだ愛情がこのプロデュースに結実したので、是非、興味のある方もない方も聴いて下さい。
USインディが好きなひとに、特にこの『きらきらひかれ』をオススメします。ツボにハマるはずです。
BIG LOVE.
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