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星野源

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今井貴彦(TOWER RECORDS KASHIIHAMA)─2010.10.25─

10年後、20年後も聴き続ける作品ってどれぐらいあるだろう?今、自分が好きだなって思う作品でも、ふと想像したら、正直そんなにしょっちゅうは聴いていないかもなと思うことってないでしょうか?それはその音楽を否定するわけではなく、歳を重ねることで自分の好みが変わったり、環境、価値観等の変化に伴うものだったりするので、多少そういうこともあると思います。

で、星野源による1stソロアルバム。この作品は10年後、20年後も聴き続けるっ!と断言してしまうほど気に入っています。

一番最初に聴いたのは、仕事をしながら。SAKEROCKのアルバム等でその歌声や雰囲気に馴染みがあったので「予想通り、いい感じだなあ」といった感想でした。その後も仕事をしながら、家で雑誌を読みながら、何度も聴くうちに「これ、相当いいかも」と思い、歌詞カードにじっくり目を通して聴くことに。

勿論前述したように、何かをしながらであっても、その良さは十分感じられます。柔らかな歌声、自然と口ずさんでしまいそうなポップなメロディ、温かさと心地よさを体現させてくれる演奏。

しかし、ただ「いい感じ」で終わってしまっていたかもしれないことが、じっくり集中して向き合うことで、「自分にとってかけがえのない作品との出会い」だったということに気付けました。こうやって本当の良さに気付けていないことって結構多いかもと思うと、音楽を聴くことだけの時間を沢山取らないと勿体無いなあなんて。

少し逸れましたが、歌詞が本当に素晴らしくて、「上手いこと言う」というレベルを遥かに越えた「人間の、世の中の真実」っていうか、「ほんとうのこと」を平易な言葉で表現しています。それが心の中にスッと入り込み、じわ〜っと沁みるような感動を味わいました。そこからは先に感じていた良さが何十倍にも深みを増してきて、何聴こうかなと、一瞬迷ったら自然とこの作品に手を伸ばすことが凄く多いです。

僕にとっての普遍的名盤度で言えば、玉置浩二の「JUNK LAND」以来のものです(この作品がどれほど素晴らしい作品か、という話はまた別のところでするかもしれませんし、しないかもしれません)。

今後も必ず良い作品を届けてくれるでしょうし、1stソロアルバムに対して言うのは逆に失礼なのを承知で、敢えて言いたいです。

後世に残るべき素晴らしきシンガーソングライターによる、一世一代の名盤。

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