nerisuke─2014.3.16─
BECKのアルバムでは『Sea Change』と『Mutations』が好きです。
『Odelay』がいかに重要な作品で傑作なのかは理解していつもりですが、いかんせんリアルタイムで経験してないといけない感が強すぎるアルバムゆえにフェイバリットになり得ないですね。エキセントリックな時よりはメロウな時のBECKが好きです。
16歳に『Odelay』は難しすぎたというのもあるでしょうけど、当時はメタリカとプロレスしか愛せない体だったのでなおさらしょうがないです。どちらもオルタナティヴな存在ではあるので自分の根幹に響きすぎてしまっていたんでしょう。
当時狂ったように観ていた新日本プロレスは闘魂三銃士全盛〜NWO(Tシャツ買ったなぁ。笑)で...。
(武藤の髪がギリギリある頃ですなぁ...)
そのへんの記憶とメタリカ〜オルタナの記憶はセットというか、10代はそれとラグビー部の記憶しかない。しかし、いかんせん音楽もプロレスも好きな人が回りにいなかったので、一人で部屋でオルタナ三銃士とかオルタナ維新軍とかの構想を練っていたように思います。
記憶は曖昧ですが、猪木は問答無用でニール・ヤング(今でもこれに異論はありませんね)。三銃士として橋本真也は太く短く生きたカート・コバーン(Nirvana)。蝶野正洋はイケイケでカリスマ性に溢れたビースティ・ボーイズ。そして武藤敬司がBECKだったと思います。
長州がダイナソーJrで、藤波がリプレイスメンツで、木村健悟がパールジャムで、越中がジェリーフィッシュでとかだったかなぁ。新日全員分考えたような...。番外編でブル中野がHOLEでアジャコングがスリーターキニーとかもあったように思いますが。TOOL、The Cureに出会うのは大学に入ってからなんで入ってなかったかな。何
何かに書いてれば良かったです。そしてこういう話ができる友達がいればもっと良かったです。笑。
BECKが武藤というというのは今でもなんとなくそうかなぁ、と思います。
スタイルを転々とさせつつも絶大なセンス、時代に対する嗅覚(批評性)、
マスクの良さでトップに座り続け、フォロアーの追随を許さずに”点”であり続ける存在。知識の堆積が表現に溶け込んでいるところとか、まさにそうだなぁ、と。
今作『
Morning Phase』は『Sea Change』とペアの作品ということで自分的にもど真ん中。かなり好き、というかBECKのアルバムで一番好きかもしれないです。
かなりボーカルに特化したアルバムなように思います。フォーキーというには奥深すぎるサウンドスケープに溶け込んでいきそうで、いかないボーカル。聴きながらなんとなく一緒に歌うとバックコーラスに参加しているような気がしてきますね。『Sea Change』と同じく
ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr、ジェイソン・フォークナーのジェリーフィッシュコンビが参加
ということでということでも聴いてて口角上がりっぱなし。
ジャック・ジョンソンとマイ・モーニング・ジャケットを足してミート・パペッツで割ったような音...、すかねぇ。憂鬱で退屈な音になるギリギリのところで、絶対にアウトな側に落ちないバランス感覚に何度も震えます。
闘病生活を経て(まだ最中なのかもしれません)の6年ぶりのアルバムという事ですが、ご自愛くださるよう祈りつつ、今年はこのアルバムを聴きまくります。
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