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MINISTOPDIARY (cassette)
Hi,how are you?

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みやぎ (ウィードーザン)─2013.4.26─

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Hi,how are you?(通称ハイハワ?)は京都在住の大学生2人組(原田くんと馬渕さん)。ユニット名はアメリカのシンガー・ソングライター、ダニエル・ジョンストンのアルバムタイトルから。

ダニエル・ジョンストンといえば、数多くのカセットリリースを80年代から続けていた、いわばローファイ・ムーブメントの先駆けのような人物。(彼の半生を描いたドキュメンタリー映画も素晴らしいので是非。→ DVD『悪魔とダニエル・ジョンストン』 予告編はコチラ )

そんな名前の彼らが、山形のインディーレーベルZombie Foreverより、デビュー。カセットで。

この時代にカセットテープ!「なぜ?」と、青春時代にやれノーマルだ、ハイポジだと慣れ親しんだオッサン世代こそ思うかもしれません。しかし、ここ数年、アメリカや日本のインディー・シーンではカセット・リリースをするアーティストが増えてきているのです。アナログレコードの売上げも年々増えているというし、音楽コンテンツのデジタル化が進む一方で、カセットやレコードなどの"モノ"として楽しめるメディアが若い世代に再評価されているのでしょう。見て楽しい、触って危なっかしい、裏返すのめんどくせえ!みたいな。確かに今だと新鮮かもしれませんね。限定感もありますし。only in dreams所属アーティストからもRA RA RIOTが新作『Beta Love』の限定版(20枚!)としてメンバー手書きのジャケット付きのBOXセットを出したり、Gotch(新人)がレコードストアデイに合わせて7inchシングルを店舗限定で発売しましたが、こうしたこだわりのあるリリースをするアーティストは今後も増えていくのでしょう。

さて、話は戻ってHi,how are you? 「なぜ彼らはカセットでリリースするのか?」理由が付属の冊子に書かれてました。

「ばあちゃんにも聴かせたい」(ズコーッ)

うーん、シンプル・イズ・ベスト!!元より年配の方々にとってカセットは現役ですもんね。

ministopd.jpg  (収録曲は「僕の部屋においでよ」 「市民プール」の2曲。同内容のCD-R、冊子にバッジも付属。可愛い!)


さて、音源のほうはというと、文字通りのローファイ・サウンド。ラジカセ録音のガチ・ローファイ。

正直、初めて聴いた時は「いやいやいや、これはローファイにも程があるだろ!」と笑ってしまったのだけど、サーッというカセットテープ特有のヒスノイズとともに繰り返し歌われる

"僕の部屋に〜おいでよ〜"

のフレーズ。やばいですね。何もない退屈な日常を唄っている。ただそれだけなのに、ドキドキと不思議な気持ちに包まれる。男の子が好きな女の子にオリジナルソングを録音したカセットテープを手渡して…。ひと昔前にありそうな青春エピソード。手渡された女の子はこんな心境で聴いたのかなって。あぁ甘酸っぱくもほろ苦い、そんなエピソード。いやいや、アンタ、カセットだという事で安直なイメージを…とお思いでしょうが、この、素朴というか童貞っぽい、彼(原田くん)の声はとても味わいがあるのです。聴いていると私は田舎のおばあちゃんやデビュー時のBEN LEEを思い出したりと頭の中が忙しくなってしまった。

残念ながら収録曲の動画は無いのですが、いくつか音源の紹介を。聴いてみて下さい。

Hi,how are you? / 台風クラブ


Hi,how are you? / ちかげ君


Hi,how are you? / 近鉄



ローファイ・サウンドとカセット・テープの相性が良いのももちろんあるんですが、なにより、彼の声がカセット・テープによく合っている。テープが伸びてもさらに味わいが増すという、違った意味で経年劣化に耐えうる声。
同内容のCD-Rが付いてるのでPCやMP3プレイヤーでも聴けるけど、ここは是非ラジカセや携帯カセットプレイヤーで聴いて欲しいですね。テープがビヨンビヨンに伸びるまで。


ちなみに、こちらのカセットはamazonやタワレコなどの大型店舗では取り扱っておりません。
販売店舗などの詳細はZOMBIE FOREVERの
【Hi,how are you?】1st cassette tape『MINISTOPDIARY』特設ページ
を御覧ください。






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