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Lysandre
CHRISTOPHER OWENS

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yabori(BELONG)─2013.1.11─


何度も繰り返されるメロディーにクリストファーが込めた思いとは何だったのだろうか?これが今回のアルバムを初めて聴いた時の感想だった。本作の主人公である元ガールズのフロントマン、クリストファー・オウエンスは世界的に成功したバンドを辞めてこのソロアルバムを作った。アルバムのタイトルである『Lysandre』とは、彼がフランスのフェステイヴァルで会った女性の名前だそうだ。

そんな本作で彼はジャズ畑のミュージシャンともコラボし、今まで使用した事もなかったクラッシックギターにも挑戦したそうである。アルバムタイトルのフォントからも連想されるように、本作はクラッシック調の作品だ。今までのガールズの音楽を聴いていた人からすると、驚きが多いかもしれない。それくらい本作は徹底して、世間的な流行とはかけ離れたサウンドであり、個人的な物語とその道のりを綴ったアルバムなのだ。

では何故クリストファーはこんな冒険的なアルバムを作ったのだろうか?本作のインタビューで彼が今作を作った理由の一つに、『僕はやりたいことをずっとやっていきたいだけなんだ』と答えていた。つまりこのアルバムで彼は今、リサンドレに伝えなければいけない何かがあったのだろう。それを感じ取るのも、本作を聴く醍醐味の一つである。

さて冒頭の質問に戻るが、何度も繰り返されるメロディーはおそらくクリストファーからリサンドレという女性への、一途な思いだったのではないだろうか。それが形を変えて何度もアレンジされている所に、彼女に対する愛情の深さが伺える。パーソナルでありながら、時代を問わない普遍的なサウンドを兼ね備えた本作は、クリストファーの誠実さを映し出す鏡のようだ。

追伸:現在配布しているBELONGにクリストファーのインタビューを収録しています。彼のミュージシャンとしての姿勢や、今作を制作する上で参考にしたアルバム等を語ってくれています。
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  • yabori(BELONG)(2013.1.11)