後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2011.6.28─
自分たちでレーベルを立ち上げて制作されたLOSTAGEの新作「CONTEXT」が素晴らしい。
どういう経緯で自分たちのレーベルを立ち上げることになったのかは、正直なところよく知らない(これはOIDのマガジンページで詳しくインタビューしたいと思っている)。契約上の理由なのか、自発的な独立なのか。様々な季節を経ての決断だったのだと想像する。
だが、一切の作業を自分たちの手元に置くことで、風通しが良くなったように感じる。ある種の覚悟が漂っている。その覚悟が、外向きに発散されているのがまたいい。私はこういった、所謂パンクやオルタナティブと言われているバンドたちが、世間なのか何なのか、とにかく接続しようと窓を開ける瞬間が好きだ。その隙間から溢れて来るエネルギーは、強いけれど決まって優しい。
五味兄のメロディメイカーとしての才能には、非凡なものを感じる。それはどの作品を聴いても思うことだ。そして、声にも佇まいにも特別な存在感がある。それはこの「楽園」のビデオを観れば明らかだろう。世界が、日本中がLOSTAGEを放っておいたとしても、私はこの音楽を無視できない。からだ中が反応してしまう。
素晴らしいバンド、才能のある人間が認められないという現状。それを嘆いても仕方の無いことだけど、なるべく多くのひとに届いて欲しい。そういう作品だ。
このアルバムのラストを飾る「NEVERLAND」という名曲。目頭が熱い。
8月3日発売。
.
1