1stの「ウィーザー」と2ndの「ピンカートン」が青春時代を直撃し、遺伝子にWの文字が組み込まれるほど入れあげたバンドなので、どんなアルバムが出ても必ず買ってしまう。毎度、1stと2ndと最新作を比較し、あの頃の幻影を求めて友人たちと「新譜どうなの?」というような議論をしながらも、なんだかんだで何度も聴いて、なんだかんだで好きになってしまう。
だから、僕がWeezerを「良い!」と改めて誰かに言ったところで全く説得力がないのかもしれないけど、それにしても今回のアルバムは良い。何曲かのキラーチューンが収録されていることに加えて、10曲で35分弱(ボーナストラックを除く)というコンパクトなサイズであることが、アルバム全体にとても良い流れをもたらしているように思う。もう1周聴いてしまう中毒性がある。
クレジットを見てみると、ほとんどの曲がリヴァースと誰かのコラボレーションによる作品になっていた。これが今作の肝なのではないだろうか。ロックバンドのほとんどは、近親交配を繰り返して血が濃くなっていく宿命を多少なりとも背負っているのだけれど、今作にはそうではない風通しの良さがあって、僕らの好きなWeezerであると共に、どこか新鮮な手触りがある。エピタフへの移籍というトピックもあるけれど、こういう新鮮味は単にそれだけでは出ないものだと思う。リヴァース・クオモのメロディメイカーとしての天才的な才能と魅力がストレートに発揮されている。
本当に今作はストライク。あとは「ホニャララ・エディション」みたいな、ちょっとしたヴァージョン違いが沢山リリースされないことを祈る。僕を含む熱心なファンたちが、その度に買い直してしまうものね。
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