2008年の10月25日。新木場のスタジオコーストで観たシガーロスのライブは、これまでに観たありとあらゆるコンサートの中でも最も印象的なものだった。あの日の公演はずっと忘れないと思う。
正直に言えばヨンシーの喉の調子は本来のものではなかった。それを残念がるファンもいたと思う。それでも彼らの演奏は素晴らしかったし、何より公演の最後に用意された舞い上がる紙吹雪の演出に(「Takk...」あたりから外側に向き始めたバンドのエネルギーを一カ所に集めて解き放つかのようだった)体中の毛穴という毛穴が収縮するほど感動した。ゼロ年代におけるロックの内省の季節は近いうちに終わりを告げるだろうと、そうオーディエンスに語りかけるような多幸感に満ちたエンディングだった。本当に圧倒的な風景だった。
Sigur R?s - Gobbledigook from Sigur R?s on Vimeo.
ヨンシーのソロアルバムは、あの時の感動をそのままパッケージしたかのような、とてもカラフルで、生命力に溢れた作品だ。1曲目の「Go Do」から、凍てつく大地を一面の花畑に変えてしまうようなポップさが広がる。ただひたすら美しく、すべてを包み込むように優しくて、小躍りをしているような無邪気さもある。新しいディケイドの始まりに相応しいアルバムだと思う。
ある意味でゼロ年代の予言書になってしまったradioheadの「KID A」。そして、このアルバム、ヨンシーの「Go」がひとつの、新しい10年の予言書になるのだと思う。3曲目の「Tornado」のヴァースのメロディに、どこか「KID A」の「How To Disappear Completely」を感じるところがまた、そんな想像を加速させる。
オフィシャルサイト(海外)では全曲試聴が出来るので、是非。
追記。ヨンシーのライブDVDの発売が決定!!トレーラーも公開中!!!
'go live' preview from J?nsi on Vimeo.
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