カリフォルニア出身のこのWarpaintは1stEPをジョン・フルシアンテがプロデュースしてたりと話題にはことかかない存在ではあったんだけど、自分的にはそこまで盛り上がっていない状態だった。
ガッツリのめり込んでしまったのはレディングというフェスの中で行われた”Undertow ”のアコースティックセッションの映像を観てからだった。
ちょっとビックリするぐらいフォトジェニック。ガールズバンドが佇まいだけで様になるのってスリーター・キニー以来だった。これはすごく大事な事で、見た目か音で興味が”0”から”1”にならないバンドはいつまでたっても”0”なのだ。
そんなこんなで漁るように落ちてる曲を拾い聴いてアルバムに備えたわけです。そして、積もる不安と期待をぶっ飛ばす出来のアルバムが10/28現在はこちらのサイト(http://hypem.com/search/warpaint )にて無料試聴可。オフィシャルでも聴けます。
スリーター・キニーがロックンロールの権化と化してギター2本のアンサンブルでロックンロールの方程式を解いていた”剛”の方法に対して、このWarpaintはかなり”柔”なサイケデリックの方向からのアプローチ。一聴した感じはUSというかUK、それも80年代後半のマンチェスター勢のようがグルーヴを感じる。でも何かがはっきり違う。それは暑苦しいまでのリズム。Cat powerの”cross bones style に近いかな (この曲のPVは一目惚れ率超高いのでこれからYoutubeとかで観る人は要注意!)。 ” 80’sUKのそれがあくまでもヘロヘロなのに対してドッシリしているというか、土煙の匂いがするのだ。パッと聴いてUSの音だなって思うのはどうしてもリズムかな、と。これは録音環境の違いとかもあると思うんだけど、やっぱり伝統なんだと思う。ブルックリン勢のリズムが良い意味で国境がないのに対して、このWarpaintがこのリズムでもって勝負するのはUSインディーの意地のようなものを感じる。愛国心とかそういうことじゃなくて、”文化”への誇りがDNAレベルで組み込まれているように思う。
インディーズという土台の文化の、しかもリズムという根っこのナショナリズム。この当たり前の事を前提として今年WarpaintとThe Morning bendersをリリースしたRough Trade Records
の姿勢はすごく信用できる。
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