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Death to False Metal
Weezer

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みやぎ (ウィードーザン)─2010.11. 8─

Hurley』から始まったWeezerのリリース・ラッシュ。正直言わせて貰うと、この作品には期待していなかった。

2007年からリリースされているリヴァース・クオモのソロ作『Alone』シリーズは、今作『Death to False Metal』と同じくレアトラック集なのだが、ノイズ、ブツ切れは当たり前という、そのブートレグ然とした内容はあまりにもマニア向けすぎた。「もしかして、今度のも同じなのでは…」と。

しかも、「90年代後半〜00年代後半にレコーディングされていた音源を収録」という前情報も…。分かる人には察していただけるであろう、この不安。
そう、私達ファンは知っている。
2000年代にWeezerが(レーベルと喧嘩しながら)オフィシャルで配信し続けていた、あの大量のデモ・トラックを。「なんか良いような気もするけど、やっぱビミョーだろコレ」的なあの大量のデモ・トラックたちを!!

しかし、リヴァースは良い意味で私の期待を裏切ってくれた。
どうだろう!この胸ときめくパワーポップアルバムは!

1曲目の“Turning Up The Radio”から心を鷲掴みにされてしまった。ぎゅ!
この曲はリヴァースがYouTube上でファンと一緒に作曲(ファンはコメントや映像で参加)していくという企画「Let's Write a Sawng」から生まれたもの(製作過程はweezerpediaで観ることができる)。数あるWeezerのキラーチューンにも引けをとらないパワーポップ・ソングで、大合唱必至!(ライブで演ってくれるんだろか)

Let's Write a Sawngの映像

そして、2008年に制作されたこの曲は別として、収録曲のほとんどが、『Maladroit(4th)』、『Make Believe(5th)』制作時に書かれた曲というのにも驚かされた。

だってこれ、すげえ初期っぽい!
1stや2ndの頃の、あの「泣き虫ロック」と呼ばれてたWeezerじゃないか!
グランジ、ニューウェーヴ、メタル等、このバラエティに富んだ感じは、まさに『Make Believe』以降のWeezerそのもの。ではあるんだけど、なんというか、感触が「初期っぽい」のだ。それは“I Don't Want Your Loving” のギターソロであったり、“Blowin' My Stack”のエモーショナルなボーカルだったりするのかもしれない。なんらかの意図があってボツにされたのか、単に忘れられていたのか(笑)、それはわからないが、アルバム収録曲にも引けを取らない名曲揃い。いや、正直に言おう。こっちの方が断然良い!「最近のWeezerはちょっと…」という人にこそ聴いてほしい。

ジャケは酷いけどね!
Death_070.JPG
…ブックレットの中身はモノクロの写真で統一されていて、ちょっと格好いい。


ちなみに、今作の国内盤ボーナストラックは“Outta Here” “Yellow Camaro”の2曲。
特にブライアン(ギター)作・ボーカルによる“Yellow Camaro”は2002年の来日ツアーで披露されるもお蔵入りとなり、結局、ブライアン自身のバンド、Space Twinsのアルバム『The End Of Imagining』(現在は廃盤)に収録された、いわくつきのナンバー(本作に収録されているのはそのSpace Twinsバージョンと比べて疾走感溢れるものとなっている)。これは海外のWeezerファンにも自慢出来るんじゃないだろうか?…と思ったらUSのiTunesストアで購入するとボーナストラックで“Mykel and Carli”のアウトテイクが付いてくるだと!? チキショーー!!!!
 

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