N.Y.を拠点に活動するシンガーソングライターのDarwin Deez。デビューアルバムの「Darwin Deez」は今年(2010年)の4月発売、しかもサマーソニックでも来日済みということもあって、タイムリーであることが当たり前になった昨今のネット環境下においては、またしても遅すぎるレコメンドかもしれませんが、好きなので構わずに書きます。洋楽雑誌を普段からよく読むひとは知っているかも知れませんが、まだ知らないひともいるでしょうし。
まずは、「radar detector」という曲のPVを観てみてください。(携帯ユーザーの方はすみません。)
■radar detector
何ですか、コレ。ニヤってなってしまうでしょう。なんかもう、どこからツッコミ入れていいか分からないけれど、何とも言えない魅力にあふれていて、引き込まれてしまいませんか。
打ち込みのドラムに宅録感バリバリのギター。情報量の多い高価な機材を使っていない所謂ローファイと呼ばれるサウンドなのだけど、それが良いのです。キーボードに内蔵されたドラム音源でも、肉体性を感じさせるような仕上がりになっていて、体温のようなあたたかみを感じる。そして、切ない。はち切れるほどにポップな音楽だったとしても、どこかに悲しみや切なさを内包している音楽が私は好きなのだけど、Darwin Deezからはそういったペーソス(哀愁)を感じます。「温かいのに切ない」のではくて、悲しみを含んでいるから優しいのです。
■constellations
彼のデビューアルバムが日本でどれくらい売れているのか知らないけれど、まだ聴いていないひとは是非。バッキバキの最先端サウンドでもなければ、歴史を塗り替えてしまうようなロックスターでもないけれど、だからこそ信頼できる場所から届けられた、素晴らしいアルバムです。
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