デンジャー・マウス×スパークルホース×デヴィッド・リンチ?なにそれ!旨いの?なんて思ったのも今は昔。ついに日本盤もリリースされました、「Dark night of the soul」。
というのもこのアルバム、2009年に完成し、世間にはそんなアナウンスがされたものの、レコード会社と揉めてリリースは雲の中。そこから紆余曲折、なんて言葉で片付けたら申し訳ないくらいの珍リリースもあったりして。やっとこさ、正式に発売に行き着いたわけなんですが…。あ〜!!発売されて本当に良かった!!と喜ぶべき素晴らしい内容なのです、これがまた!
まずは、その素晴らしいメンバーのお話から。
プロデューサーとしてもあちこちに顔を出すデンジャー・マウス こと、ブライアン・バートン(ゴリラズやベックのプロデューサーであり、自身もナールズ・バークレイやブロークン・ベルズとして活動しています)。そして、昨年のちょうど今頃亡くなったスパークルホースこと、マーク・リンカス(スパークルホースとしてレディオヘッドやR.E.Mともツアーをしていました。ご冥福を心からお祈りいたします)。この二人が様々なアーティストを迎えて制作された作品なのです。それが素晴らしいポイントその1。
ボーカル、そしてアートワーク担当として参加している映画監督のデヴィッド・リンチの作品!!
言わずと知れた映画監督、最近はミュージシャンとしてソロ・ミニアルバムもリリースしていましたが、鬼才というのはこの人のためにあると言っても良いくらい。独特の世界を作り出す天才。・・・ああ、私の乏しい表現力ではこれが限界。とにかく作品を観た日は夢に出ます、デヴィッド・リンチ仕立ての恐ろしい夢をみること間違いなし。
ちなみにアートワーク全般担当なので、HPも勿論、リンチ先生の制作。世界観の出しすぎで最早情報がどこに隠れているのか見失うこと必死。言うなれば、大人版飛び出す絵本。不気味・・・でも好きだ!HP(→http://dnots.com/ )だけでもやばいっす、訳わかんないっす。歌詞カードももれなく不思議な世界。ハマります。
それでもって、もちろんまだあります、素晴らしいポイントその2。
参加アーティストがとにかく豪華!!
1曲目めからthe flaming lipsが参加(この楽曲がまた良い!ダークさ、その美しさ。ピンク・フロイドっぽい)。それからストロークスのジュリアン・カサブランカス(これが、「あ〜、ストロークスぽいな〜」という感じなんですが、私は一番聴きたくなる曲かも、今のところ)。そして、イギー・ポップ、スーパー・ファーリー・アニマルズのグリフ・リース、ピクシーズのブラック・フランシス、スザンヌ・ヴェガ(グッとくる、良い声でいらっしゃる。この楽曲、man who played godも好きでよく聴いています)などなど、音楽ファンを唸らせるラインナップ。
では、ちょっと長いですがビデオをどうぞ。この世界観は観ていただかないと、言葉で伝えるのは難しい。
もうこれ、映画じゃないか。
デヴィッド・リンチファンとしても、久しぶりに新作を観たこの感じ。嬉しいのです。
CD音源としての豪華さ、緻密さ、聴きごたえ、アートワークからみてもこのアルバム、本当に買いだと思います。というより、お願い、誰かとこの素晴らしさを分かち合いたいのよー!聴いてほしいのー!といった感じ。
前半の攻め攻め感と、後半の畳み掛けるような退廃的な美しさ。その流れも素晴らしい!少々失礼な言い方ですが、愛すべき大人の高等なアソビが生んだ傑作だと、私は思っています。