このバンドの前作「Only By The Night
」はホントに良く聴いた。「特に聴きたいものないな〜」って時にとりあえずかけてしまうアルバムだった。トップバンドへ登りつめる瞬間を捉えたアルバムで、きっちりヒットシングルも2曲入って、40分強。天の邪鬼っぷりを発揮して個人的年間ベストには入れなかったりしたけど、今聴いても名盤だ。そして今作は今まで培ったポテンシャルをフルチンで見せつけた真っ向勝負のロックアルバム。骨格の違いでもう勝負にならない、という印象すら感じる横綱っぷり。
現在はspinnerで全曲視聴出来ます(http://www.spinner.com/new-releases#/1 )。
オススメは「Radioactive
」、「Mary 」あたりかな。欲を言えばあと2曲くらい削ってもらえればもっと聴きやすくなったはずだけど、そんなもんは些細な問題だ。というわけでこのKings of Leon、欧米では子供からお年寄りまで知らない人はいないくらいのバンドなわけですよ。ストロークスから始まったガレージムーブメントの末っ子としてアメリカの南部からでてきたこのバンド。初めはもっさりした田舎モンだったわけで。そのバンドがアルバムを経るごとに垢ぬけて、音楽性的にも暑苦しいロックンロールからU2的なスタジアムロックへと変遷していく。その様を欧米の人達は見守っていて、「おれたちのKings of Leon
」という感じなのでしょう。その感情移入のさせ方は、今や世界一の総合格闘技団体UFCがUFC版ガチンコファイトクラブであるテレビ番組「TUF」で見せた事とダブり、さらには日本でいうAKB48の成長物語ともかぶる。
そんな愛すべき世界トップ中のトップバンドの新譜がチャートに入らない日本。これは同じ音楽として本来分けるべきじゃない洋楽と邦楽との埋めがたい溝を作ってしまった問題と原因は一緒だ。。
一つ目は、ラモーンズから始まったパンクのシンプルなリズムを何の考えもなしに”ロックのリズム”として浸透させてしまったメロコアというジャンルの影響力。
二つ目は、日本人特有の奥ゆかしさが拒否反応を起こしたために起きたブラックミュージックの進化の遅れ。
ざっくり言うとこの二つだと思うんだけど、この二つが引き起こしたのがリズムへの鈍感さなんだと思う。それはセックスを感じさせる音楽への否定へとつながる。”胸毛の否定”と言ってもいいかも。それこそがこのKings of Leonの魅力の伝わらなさに直結してるんだと思う。だってセクシーさの塊のようなバンドなんだもの。
日本人は世界で誰も相手にしなかったクィーンやボン・ジョヴィを唯一応援し、プリンスを熱狂的に支持した歴史があるのにどうしてこんな事になってしまったのやら。
海猿とかROOKIES
1 で明日にときめくのもいいけど、今はとにかくKings of Leon メンバーの胸毛を見てときめけ!